近年公開されて話題になった映画=
<猿の惑星~創世記ジェネシス>は、
最先端のCGも駆使して、急速に知能を高度化させていく
“猿”が描いた作品でしたが、
映画史上の中で極めて有名な“猿”の登場するシーンが、
実は<2001年宇宙の旅>にあるのです。
この映画は、初公開(アメリカ)が1968年ですから、
若い方でご存知の方はあまりおられないかもしれませんが、
是非、一度はご覧になられることをお勧めします。
公開当初は、あまりに難解な結末と上演時間の長さ、
そして現代音楽を駆使した音響といったことから
賛否両論が渦巻き増したが、今や映画史上ベストテン
といった企画を行なうと必ずランクインする程、
名作として確固たる地位を確立しています。
他の草食動物を同じように、草木を採集して命をつなぎ、
猛禽類等の天敵に脅えながら暮らしていた“黎明期の人類”
即ち“猿”のある群れが、神の啓示を暗示するような“モノリス”
の触発によって、動物の骨を道具として扱い始め、
それによって動物を捕殺して肉食が可能となり、
やがて他の群れとの水場争いではその骨を武器として戦い、
見事勝利して、感極まったボスが
その骨を天高く放り上げる・・・・
・・・その骨が、一瞬で宇宙空間に浮かぶ人工衛星
(ハッブル望遠鏡にも似たフォルムです!)にすり替わり、
その一瞬で、人類に数百万年の進化_テクノロジーの進歩を
描き出して、この映画は始ります。
この間、セリフはただの一度もありませんし、
象徴的な場面以外には、背景音楽も流れません。
そうなのです!“猿”の頃にはまだ音楽という概念が存在しない
のですから、基本的に音楽は無い方が自然という風に、
この作品のストーリーをタッグを組んで練り上げた
映画監督=スタンリー・キューブリック監督と
SF作家=アーサー・クラークの二人は、
考えたのではないでしょうか。
そして、宇宙空間の場面になった途端、
ウィンナワルツ名曲「美しく青きドナウ」の調べが流れます。
スローな3拍子のリズム感が、無重力の宇宙空間の浮遊感と
不思議にマッチして、素晴らしい効果を挙げています。
その他、本編の映像が始る前に、真っ暗な中で
当時の現代音楽シーンの最先端の作品=
ジョルジュ・リゲティの「アトモスフェール」の
トーンクラスターの音響が鳴り響いていたり、
初めてモノリスが登場するシーンでは、
別のリゲティ作品も効果を発揮、
また、メインテーマとしてリヒャルト・シュトラウスの
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭の
「自然の主題」が使われていることは、あまりに有名です。
映像の美しさと細部にわたる綿密なテクノロジー進度の設定を
CGがまだ無い時代にこれほどの精度で具現しているこの映画
<2001年宇宙の旅>(キューブリック監督作品)は、
正に不朽の名作と言える作品でしょう。
YouTube / 2001: A SPACE ODYSSEY /
2001年宇宙の旅 1968
YouTube / 1981 淀川長治さん 2001年宇宙の旅&ED