各曲とその作曲家の紹介も、いよいよ終曲です。
第8曲:”エピローグ~希望”
イグナチオ・バカ=ロベラ(メキシコ)
/Ignacio BACA=LOBERA (Mexico)
演奏編成:オーケストラ、ソプラノ独唱、
バリトン独唱、児童合唱
序章の後、四大元素(土・水・空気・火)、宇宙、命、
を経て、いよいよ最後の第8曲は"希望"です。
メキシコ出身の俊英、イグナチオ・バカ=ロベラ氏に、
この連作共作のフィナーレを託しました。
氏は、カリフォルニア大学サンディエゴ校で
湯浅譲二氏の下で研鑽を積んだこともあり、
また「入野賞」を受賞して、その受賞作が
新日本フィルハーモニー交響楽団で演奏されたこともあり、
日本を非常に良く知る人物です。
この曲では、メキシコの先住民族の言葉の一つである
「オトミ語」の最小限の単語
(男、女、子供、火、水、太陽、空気、音楽、人間、月)と、
自身の二人の息子の名前、
Inigo(イニゴ)とJulio(フリオ)が、
児童合唱で語られます。
音楽そのものは不確定記譜法を駆使した
トーンクラスター的な音響を主体として、
”混迷を極める現代社会の中での仄かな希望”を
暗示するかのようなフィナーレになっています。
このシリーズの記事の最後に、
この [新世紀への讃歌] 初演の演奏会のプログラムノートに
私が書いた文章の一部を記しておきましょう。
・・・
海外作曲家のスコアもほぼ出揃い、
私自身も担当楽章の作曲を終えて、この原稿を
書こうとしていた矢先、世界を揺るがす大惨事
「アメリカ合衆国同時多発テロ事件」の報が飛び込んだ。
新世紀開幕の年も、人類の歴史は血に染められてしまった。
やはり、まだまだ人類は未熟なのか……。
この<新世紀への讃歌>は、純粋に音楽作品として
楽しんでいただくことは勿論ですが、
この作品の世界への発信が、人類と地球の将来に
ついて個々の人間が改めて考える契機にもなることができれば、
プランナーとしてこの上ない歓びと考えています。
・・・
CD「共作連作<新世紀への讃歌>全曲世界初演」
企画:東京フィルハーモニー交響楽団
プランニング・アドヴァイザー:松尾祐孝
指揮:渡邊一正
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ソプラノ独唱:リー・ビュンリウル
バリトン独唱:河野克典
児童合唱:東京少年少女合唱隊
Live Notes / WWCC-7414
今日の写真は、勿論、地球です!
私たちの棲む、かけがいのない惑星ですね!
