今日は<第6番>へご案内します。
この曲を、私は40歳近くまで
全く聴いたことがありませんでしたが、
NHK交響楽団の音楽監督にシャルル・デュトワが就任して、
そのコンビによる初のCDに収録された時に、
初めて聴く機会を持ちました。
ポピュラーな人気を博している<第5番>とは全く異る、
ショスタコーヴィチの作品にも一脈通じる
冷徹さと緊張感に支配された、玄人向けの作品です。
1947年の初演は好評を博したようですが、
翌年に例のジダーノフ批判に晒され、
長年演奏されなかったという不幸な経緯があります。
私の仕事場のライヴラリーに在るのは、
勿論この一枚、デュトワ&N響盤です。
プロコフィエフ/
バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(抜粋)
交響曲第6番
シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団
LONDON / POCL-1826

###<交響曲第6番 変ホ短調 作品111>###
[第1楽章]
ソ連圏の作曲家としての後輩にあたるショスタコーヴィチが
後年に受け継いでいく、冷徹さと諦念と鋼のような意思が
心に滲みてくる楽章です。
基本的に中庸で淡々としたテンポで音楽が進みますので、
あまりソナタ形式による冒頭楽章らしい雰囲気には
感じられないかもしれませんが、展開部の半ば辺りから
次第にヴォルテージを上げていきます。
[第二楽章]
トランペットに現れるほの暗い中にも妖艶に歌われる
第一主題が印象的な、ソナタ形式による緩徐楽章です。
第5番の楽想の変容と思われる楽想も顔を覗かせます。
第一主題の再提示のような導入から、
楽想が行進曲的に変容して展開部に入ります。
しかし緊張感を保ちつつも表面上は穏やかな展開が続き、
やがて再現部に辿り着きます。
変容した再現の中からやがて妖艶な第一主題が
明確になっていく様は、なかなか見事な筆致です。
最後は穏やかに楽章が閉じられます。
[第3楽章]
スケルツォとロンドの性格を合わせ持った終楽章です。
<第5番>の終楽章の残照のようにも感じられます。
第一主題をA,第二主題をB、展開部をC、
第一楽章の回帰をD、結尾をE,と記号化すると、
楽章全体の構成は、ABACADE
但し、Cの展開の中にはAとBのテーマや素材が
複雑に交錯していますし、
結尾のEは第一主題Aの変容です。
自由なロンドソナタ形式と考えて良いでしょう。
このような3楽章構成による演奏時間約40分に、
なかなか聴き応えのある交響曲です。
YouTube / **♪プロコフィエフ:
交響曲第6番 変ホ短調 Op. 111
/ シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団 1997年