しばらく続けて紹介した [新世紀への讃歌] シリーズでしたが、
皆様いかがでしたか。
実際にCDをお聴きになりながら、
もう一度記事を読み返していただけると、
更に更に嬉しいです。

それにしても、アジア環太平洋文化圏出身の
このシリーズの作曲家達の多様性と頼もしさは、
実に壮観です。

第2曲の作曲家=陳圭英氏は、
韓国で学んだ後にドイツで研鑽を積み、
帰国後は、大邱の嶺南大学やソウル大学を拠点に、
韓国音楽界の重鎮として活躍しています。

第3曲の作曲家=于京君氏は、
北京中央音楽院で学んだ後に、
日本やアメリカで研鑽を積んだ後に、
最終的にオーストラリアに拠点を定め、
旺盛な活動を展開しています。

第4曲の作曲家=Diego LUZIRIAGA氏は、
12人兄弟の11番目に生まれ、
エクアドルの首都キトで学んだ後に、
パリやニューヨークで研鑽を積み、
一時期はブラジルやロンドンを拠点とした後、
現在はフィラデルフィアに住んで活躍しています。
現代音楽のみならずフォルクローレに通じる歌曲なども
手掛けていて、近年ではオペラの新作が注目されています。

第5曲の作曲家=周龍氏は、
文化大革命の閉塞状況を経験した後に、
北京中央音楽院で学び、その後欧米で研鑽を積み、
現在はニューヨークやカンザスシティを拠点に
活発な活躍を展開しています。

第6曲の作曲家=Lance HULME氏は、
ミネソタ大楽、イーストマン音楽院、イェール大学で
学んだ後にウィーンでも研鑽を積み、
ルトスワフスキ国際作曲コンクール第1位をはじめ
数多くの受賞を重ねています。
現在はドイツのカールスルーエを拠点に活躍しています。

第7曲の作曲家=Chinary UNG氏に至っては、
創立間も無いカンボジア音楽院で学んだものの、
その環境は甚だ貧相なもので、
ピアノとクラリネット位しか設備や備品が無く、
洪水に襲われた時にはそのピアノが水にプカプカ浮いていた
というような経験にも遭遇した後、
ポルポト政権の圧政下から留学でアメリカの逃れ、
以後、アメリカを拠点にヒューマンな作品を書き続け、
音楽のノーベル賞と言われるグローメイヤー賞の受賞で、
国際的な知名度を高めました。

第8曲の作曲家=Ignacio BACA=LOBERA氏は、
祖国で学んだ後にカリフォルニア大学サンディエゴ校で研鑽を積み、
更にパリやドイツでも研鑽を積んでいます。
世界各地の現代音楽祭等で作品が紹介され、
現在は祖国の大学を拠点に、活発な活動を展開しています。

母国に居ながらにして、大抵の文献が母国語訳で入手でき、
日々の生活にも事欠かずに豊かで安全な暮らしができる、
そんな恵まれた日本人からは想像もできないような
境遇や難局を乗り越えて、彼らは逞しく生き、
自己研鑽を継続して、今日に繋いできたのです。
つまり自分を信じるて多大な努力を継続する力=
才能があったということです。

何度も言うようですが、才能は皆さんの心の中に在るのです!


今日の写真は、パリのサンクレール寺院です。
白亜の佇まいと青い空のコントラストが美しかったです。
昨年秋にリスボンの現代音楽祭からの帰路に立ち寄りました。
パリには、自分の才能を信じて研鑽を積む者たちが、
世界中から集まっています。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-サンクレール寺院