来る2月17日(金)に京都芸術センターで開催される
<宮本妥子パーカッション・リサイタル>で初演される
私の新作の紹介をしましょう。

フォノⅩ~打楽器独奏の為の狂詩曲<π>(2011)

この作品は、随分前に作曲した打楽器独奏作品=
<パルサー>を解体・再構成して作曲したものです。
この先作があまりに難曲かつ長大であるために、
委嘱者である上野信一氏が折りに触れて内外で演奏されている
以外には滅多に演奏されないのです。
そこで、もう少し現実的に演奏可能な範疇の難易度の作品を
書きたいと考えていたのです。
(近日中に<パルサー>についての記事も書く予定です。) 

そのような想いを胸中に抱えていたときに、
折しも日本現代音楽協会の関西企画で
気鋭の打楽器奏者=宮本妥子さんをフィーチャーした
京都での演奏会の開催が決定して、
私にも作品発表の場をいただけることになりました。
この新作を書く絶好のチャンスが到来したのです。

作品のタイトルは、私の独奏作品シリーズに加えようと考えて
<フォノ>の第10作ということになりました。

この作品は一応五線紙上の記譜されていますが、
時間の進行のマネージは奏者に一任されています。
曲の終盤の畳掛けるようなフィナーレを除いて、
何分音符といった定量的な記譜にはしていないのです。

曲の大部分を占める前半は、
脈動(パルス)が繰り返される中で、
完全な乱数である超絶数になっている円周率=πを活用した
乱数によって決定された打撃がひたすら繰り返されます。
しかも楽器は前後左右4組に配置され、
演奏者にはどの向きの楽器群でその場面を演奏すべきか
ということは全て楽譜に記載・指定されています。
膨大な(厳密な意味での反復ではない)繰り返しの中で、
次第に演奏者も聴衆も陶酔状態になり、
そのピークで楽想の位相が転換して、
一定の高速ビートに乗って熱狂的な後半部に突入して、
一気呵成に全曲を閉じます。

このような経緯から~打楽器独奏の為の狂詩曲<π>~
という副題が付されたタイトルになっています。

宮本妥子さんがまるで鬼神のような演奏で、
この作品を現実のものにしてくださるであろうことを、
今からとても楽しみにしているところです。

<宮本妥子パーカッションリサイタル~閾を越えて~>
##日本現代音楽協会創立80周年記念事業最終公演##

2012年2月17日(金)18:00開演
京都芸術センター・フリースペース
入場料:前売り2500円 当日3000円 学生:1000円

主催:日本現代音楽協会 共催:京都芸術センター

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-現音京都チラシ表面

プログラム(曲順は変更される場合があります):

 諸橋玲子/玄(Kuro)Ⅱ (2011/初演)
 伴谷晃二/<ヒロシマの詩 Ⅰ >マリンバのために(2010)
 松永通温/A Dreamer and Trespasser (2011/初演)
 近藤浩平/けもののけはい 作品123(2011/初演)

#一般公募による入選作品に関する投票の説明
 小松淳史/You are sleeping in my hand(2012/初演)
 冨田さやか/雨乞い(2011/初演)
#投票

 ジョージ・クラム/ギターと打楽器のための「犬の世界」より
                        (1998)
 松尾祐孝/フォノⅩ~打楽器独奏の為の狂詩曲〈π〉
                    (2011/初演)   
出演:
打楽器独奏=宮本妥子 
ギター=藤井眞吾 トランペット=末岡希和子 
パーカッション=西岡まり子

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