
という訳でもないのですが、
アメリカの作曲家=グローフェの代表作として名高い
組曲「グランドキャニオン」を紹介しましょう。
ファーディ・グローフェ(1892-1972)は、
若い頃にはホワイトマン楽団(ニューヨークのビッグバンド)
の座付きアレンジャーを担当するなどして、
ヨーロッパのようなクラシック音楽作曲家の活動フォーマットの
無かったアメリカを生き抜いてきた作曲家です。
あおガーシュウィンの名作「ラプソディ・イン・ブルー」の
アンサンブル・スコアを書いたのもグローフェでした。
ホワイトマン楽団からは1925年に左っていたグローフェでしたが、
そのホワイトマンとの友好関係は以後も良好でした。
1921年にグランド・キャニオンを訪ねて強烈な印象を得ていた
グローフェは、そこから喚起された楽想を温めていましたが、
結局1931年のシカゴでのイベントで、
ホワイトマンからの委嘱作品として初演されたのでした。
[第1曲:日の出]
ピーンと張りつめた透明感とどことなく楽天的な雰囲気が、
アメリカの壮大な景観と大空のイメージを喚起します。
平易な手法ながら見事なオーケストレーションです。
[第2曲:赤い砂漠]
気怠いオスティナート(同形反復)が
延々と続く砂漠の風景を想起させます。
[第3曲:山道を行く]
一般的に一番有名な曲でしょうか。
ロバに跨がって峡谷に降りて行くトレッキングの
楽しく長閑な光景が目に浮かぶようです。
足音を模した打楽器の演奏がユーモラスですね。
[第4曲:日没]
正に大自然の中の夕暮れの音楽です。
[第5曲:豪雨]
嵐がやってきます。驟雨・雷・・・凄まじい音楽の後、
やがて雲間に月が顔を覗かせ、自然は輝きを取り戻し、
大いなる歓びに包まれてフィナーレを迎えます。
私の最近の愛聴盤は、このCDです。
指揮:エリック・カンゼル
管弦楽:シンシナティ・ポップス・オーケストラ
TELARC / PHCT-1212 CD-80086

このCD,実は物すごい特徴があるのです。
組曲の終曲の雷の音に、本物の雷鳴を使用しているのです。
雷の音位、簡単に録音して被せれば良いではないかを
お考えかもしれませんが、実はそう簡単な話ではないのです。
雨の音が入らず、風の音も入らず、
激しい雷の音が鳴り響く、という条件が、
何時何処で揃うのかは、ほとんど予測不能なのですから、
何年もかかって録音チームが捕捉して収録した音源が、
このCDに使用されているのです。
何と、ボーナス・トラックとして、
雷の音だけも聴くことができます。
今日は、アメリカらしい音楽をご紹介しました。