<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会
   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭>
公演回顧シリーズ vol.16

《弦楽オーケストラ》
フォノスフェール・ミュージカル・ストリング・アンサンブル
                “サンシャイン・コンサート”
10月8日(月)13:00開演/横浜みなとみらいホール 大ホール

1) 夏田鐘甲(日本):バラード Ⅱ “祈り” Ⅲ “舞”
         ヴァイオリンと弦楽合奏のための(1981)
            ヴァイオリン=川口静華 

2) Massimo BIASIONI (イタリア):
      思い出される月光について(1988/96/改訂初演)

3) 久田典子(日本):PURSUIT(1993)
            チェロ:安田謙一郎

4) Thoma SIMAKU(アルバニア):
     満月~12のソロ弦楽器のための(1999/日本初演)

5) 近藤春恵(日本):
     Aria~尺八と弦楽オーケストラのための
                   (2001/世界初演)
            尺八=三端貴風 

 指揮=松尾祐孝
 弦楽オーケストラ=フォノスフェール・ミュージカル・
          ストリング・アンサンブル

1) 3) JSCM音楽祭出品作品
2) 4) 5) 国際審査会入選作品

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これまでにも何度が触れてきましたが、
この音楽祭のボリュームを少しでも大きくしたいという
実行委員会・実行委員長としての意向を実現すべく、
私は若手演奏家による弦楽オーケストラの育成を
この音楽祭の3年前から始めました。
芸大在学・出身の優秀な若手演奏家に声を掛けて、
1999年の自主演奏会、
2000年11月の<ISCM世界音楽の日々2001・プレ演奏会>
と経験を積んだ上で、この演奏会に臨んだのです。

夏田鐘甲作品の演奏で、川口さんの優美な独奏と共に
好スタートを切ったアンサンブルは、
横浜みなとみらいホールのしかも大ホールという
贅沢な音響空間を楽しむかのように、
艶やかに飛翔をしてくれました。

M.ビアシオーニ作品は、
弦楽四重奏と背後の弦楽器群という、
特徴ある舞台配置による繊細な効果を狙った作品でした。
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-M.BIASIONI作品

トーマ・シマク作品には、作曲者自身が、
満面の笑顔とともに絶賛の評価をしてくださいました。
続く、久田典子作品での安田謙一郎氏との協演は、
実にスリリングでした。
ズシズシ・ビシビシとチェロの低音のパルスが
タクトを振る私の脇腹に突き刺さるかのような、
自由闊達な迫力ある独奏に、正に丁々発止の
超絶的なやり取りを展開していったのでした。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-久田典子作品・安田謙一郎氏と

プログラムの最後は、この音楽祭で再三出演していただいて
日本開催を象徴する存在として風格を見せつけていただいた
三橋貴風氏の独奏を得ての近藤春恵作品でした。
非常に難しい作品でしたが、
じっくりとドライヴすることができました。
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-近藤春恵作品・三橋貴風氏と


それにしても、実行委員長として現場の総指揮を執りながら、
同時に弦楽オーケストラ公演丸ごと1演奏会の指揮を担当して、
リハーサルからゲネプロと本番に時間を割くという芸当は、
本当に大変でした。
実行委員会インスペクターの佐藤昌弘氏や事務局スタッフが
しっかり現場を運営してくれていたからこそ、
私もなんとかその時間は演奏に専念できたのです。
スタッフ全員の素晴らしき仕事ぶりに感謝!

終演後の楽屋では、汗だくの燕尾服から着替えながら、
暫し気絶しそうな程に放心状態になりましたが、
演奏自体は素晴らしく上首尾に終わったという
達成感と満足感もふつふつと湧いてきて、
やがて実行委員長の職務に復帰していったのでした。
とにかく、この日は壮絶な体験でした。