先日の記事<PHONOSPHEREシリーズ>
(テーマ:自作品エピソード)で、タイトルのみ紹介した
[フォノスフェール第3番] を含む国際共作連作 [新世紀への讃歌]
について、様々なエピソードを披露していきましょう。

♪♪♪国際連作共作「新世紀への讃歌」♪♪♪
全曲:東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品

初演:2001年10月/東京オペラシティコンサートホール
   東京フィルハーモニー交響楽団特別演奏会
    アジア環太平洋作曲家シリーズvol.4
プランニング・アドヴァイザー:松尾祐孝
演奏:指揮=渡邊一正
独唱:ソプラノ=リー・ビュンリウル バリトン=河野克典 
合唱=東京少年少女合唱隊

この企画は、この企画立案当時の東京フィル常任指揮者
大野和士氏が、サントリー音楽財団主催の現代音楽祭
<サマーフェステフィバル>において、
[和解のレクイエム] の日本初演を指揮した公演終演後の
サントリーホールの楽屋での会話に端を発しています。

[和解のレクイエム] は、第2次世界大戦終結50年を記念して、
シュトゥットガルトを拠点とした<ヨーロッパ音楽祭>が企画した
国際連作共作でした。
シュニトケ、クルターク、ベリオ、リーム、湯浅譲二、等の
国際現代音楽シーンを代表する錚々たる顔ぶれの作曲家が、
1曲ずつ書いて全体で一つのレクイエムを構成するという、
非常に壮大な企画・楽曲でした。
各曲の彫琢そのものも、演奏の充実も、共に聴き堪え充分で
素晴らしい公演となりました。

しかし「キリスト教典の"レクイエム"をテキストに使っている限り、
結局はヨーロッパ人の視点からのみの企画になっていたのが
何とも惜しいね!」という事を、
終演後の楽屋で大野氏と語り合った記憶があります。
そういった共通認識の上で「今度がアジア・東京から、
もっと自由な発想の企画を発信したいものだね!」
と意気投合したのでした。

その後、東京フィルが1998年度から2001年度にかけて、
<アジア環太平洋作曲家シリーズ>を企画することになり、
私がプランニング・アドヴァイザーを担当することになりました。
そして、大野氏と協議を重ねながら、各年度1回ずつの計4回の公演の
作曲家の人選や作品の選曲を進めていったのです。
その際に、最終回は丁度21世紀の開幕の年=2001年になるので、
[新世紀への讃歌] と題して [和解のレクイエム] では成し得なかった、
キリスト教典に囚われない自由な発想の国際連作共作を、
このシリーズの最終回=集大成として実現しようという事に
なっていったのでした。
そして遂に、世界平和と地球環境保全へのメッセージを包括した、
アジア環太平洋出身の作曲家8名による [新世紀への讃歌] が、
誕生したのです。

この項は暫く続きます。乞うご期待!


CD「共作連作<新世紀への讃歌>全曲世界初演」
   企画:東京フィルハーモニー交響楽団
   プランニング・アドヴァイザー:松尾祐孝
   Live Notes / WWCC-7414 
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-新世紀への讃歌CD