松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

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創造芸術は人間の根源的な表現欲求と知的好奇心の発露の最も崇高な形。音楽家・作曲家を目指す貴方、自分の信じる道(未知)を進んでいきましょう。芸術・音楽・文化と共に人生と社会を豊かにしていきましょう。~頑張れ日本!〜がんばろうニッポン!

松尾祐孝(作曲家・指揮者・音楽プランナー)の
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音楽を中心に据えつつ記事のテーマや内容は
様々な方向に展開しています。
朝の記事、昼の記事、夕方の記事、夜の記事を基本に、
それぞれの時間帯に個別のシリーズをアップすることもあります。
気軽に覗いてみてください。
皆さんも、音楽と共に在る素敵な人生を!
クラシック音楽界最大のジンクス、
「ベートーヴェン以降のシンフォニストは、
交響曲を第9番までしか書けない。」
という大きな大きな壁を颯爽と乗り越えて
二桁台番号交響曲を書き上げて行ったショスタコーヴィチも、
この第15番が最後になりました。

これは私的な見解ですが、交響曲らしい交響曲は、
全15曲の中の11曲と考えられます。
第2番と第3番はソヴィエト体制を讃美する
単一楽章交響詩ですし、第13番と第14番は
オラトリオやオーケストラ伴奏歌曲集のような
様相を呈している作品と捉えることができます。

また、偶然の結果だとは思いますが、
第7番と第8番を中心としてほぼシンメトリーに、
曲の規模や楽章構成といった特徴が
前後対称に並んでいることに気付かされます。
オーソドックスな4楽章構成の第1番と第15番、
交響曲らしくない性格が強い第2/3番と第13/14番、
問題作であり大作である第4番と第11/12番、
代表作の風格を持つ第5番と第10番、
意表を突いて小振りな第6番と第9番、
中心にそびえる第7番と第8番、
という訳です。

前置きが長くなりました。
ショスタコーヴィチ最後の交響曲を探訪していきましょう。

1971年の完成ですから、あの大阪万博の後の作品になります。
当時は、西欧では前衛の急進が一段落して、
世界文化相対主義的な潮流への転換期にあたる時代でした。
しかし、鉄のカーテンの向う側、
ソヴィエト体制下にあっては、自由な創作などままならず、
巧妙に作品にメッセージを忍ばせながら、
また時には体制讃美作品も書きながら、
孤高のシンフォニストを貫いたのでした。

しかし、それにしても、この最後の交響曲は謎めいています。
外観はオーソドックスな4楽章構成ですが、
随所にロッシーニの「ウィリアムテル」や
ワーグナーの「ワルキューレ」などが引用されていて、
何か意味深長なメッセージが隠されているように感じられます。

###交響曲第15番 イ長調 作品141###

[第1楽章]
ソナタ形式に基づく冒頭楽章です。
展開部の終盤に突然「ウィリアムテル」が
執拗に強調される場面には、
初めて聴いた時にはとても驚かされました。

[第2楽章]
ショスタコーヴィチ独特の沈鬱な緩徐緩徐です。
自作交響曲の最後を自覚していたかのような、
葬送行進曲のようにも聴こえてきます。

[第3楽章]
前楽章からアタッカで続きます。
ショスタコーヴィチが得意としたスケルツォで、
老いてなお闊達な楽想で面目躍如といった観があります。
十二音技法を限定的に応用しているあたりに、
この作曲家の後半生に垣間見得る密かな拘りも見て取れます。

[第4楽章]
「ワルキューレ」からの引用が印象的な緩徐調序奏部を経て、
パッサカリアによる連続変奏に乗せた厳粛な発展による主要部となり、
やがて様々な主題や要素が回想(再現)された後、
謎を残したまま全曲を閉じます。


CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第1番&15番
   ウラディーミル・フェドセーエフ指揮
   モスクワ放送交響楽団
   Pony Canyon / POCL-00351
ショスタコーヴィチ交響曲第1&15番

仕事場のライヴラリーにはこCDがあります。
生演奏にも3回程接していますが、
聴く度に苦虫を噛み潰したような、そしてまた一抹の寂寥感が
心を駆け抜ける想いがします。

偉大なるシンフォニストであり、
ソヴィエト体制の社会主義リアリズム下を逞しく生き抜いた
孤高の作曲家=ショスタコーヴィチに献杯!

純米酒で乾杯!

メリークリスマス! 深新會からのお知らせです。

 

 

深新會2025年クリスマス特別企画〜《DEEP & NEW インパクト・ライヴ》@オンライン

       ♫ ♫ ♫ 深新會YouTubeチャンネル 再生リスト ♫ ♫ ♫

 

 

近年の深新會では、西暦奇数年の年末は原則として東京・渋谷・"公園通りクラシックス"を

会場とした《DEEP&NEWインパクト・ライヴ》を開催してきましたが、

この2025年の年末は、オンライン開催として、

会員コアメンバーの最近作のステージの記録動画を公開することにいたしました。

メンバー作曲家の最近作の動画をごゆっくりお楽しみください。

 

 

 

 

 

2012年のロンドン・オリンピックの開会式で、
ジェームズ・ボンドが女王陛下と空から舞い降りるという
奇想天外ながらいかにもイギリスらしい演出で、
世界中をあっと言わせてくれた光景は、
今でも脳裏に強く刻まれています。

私は、大の「007」シリーズのファンで、
初期の作品は再三放映されたテレビ映画劇場で、
ロジャー・ムーア主演の時代からは劇場ロードショーで、
ほぼ全作品を劇場で観賞してきています。

今日はシリーズ第8作の話題です。
この作品から、主演=ジェームズ・ボンド役として、
ロジャー・ムーアが登場します。

#####映画<007死ぬのは奴らだ>#####
1973 年 監督=ガイ・ハミルトン
主題歌=ポール・マッカートニー&ウイングス
ジェームズ・ボンド=ロジャー・ムーア
ボンド・ガール=ジェーン・シーモア
(この作品では、ボンドカーは特に登場しませんが、
 ロレックスの時計等の秘密兵器の数々が登場します。)
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ジェームズ・ボンドと言えばショーン・コネリーという
イメージが全世界にあまりに強く定着していたこの頃、
その役を引き継いだロジャー・ムーアの内心のプレッシャーは
きっと凄く強いものであったでしょう。
しかし、ロジャー・ムーアのジェームズ・ボンドは、
多少アメリカナイズされた娯楽性を強めた方向性を
さりげなく打ち出していくことに成功していきます。
そして、このシリーズの最多主演回数を
記録することになるのです。

この<死ぬのは奴らだ>が公開された頃の日本は、
大阪で開催された万国博覧会の大成功(1970年)や、
冬季オリンピック札幌大会(1972年)の熱狂の直後で、
戦後の高度経済成長の絶頂期とも言える時期でした。

YouTube / 死ぬのは奴らだ (字幕版)

今日は私の独奏曲"PHONO"シリーズの第16作、
《フォノ XⅥ》~三味線独奏の為に~の紹介です。

 

 

 

第2番以降は独奏曲シリーズとなっている《フォノ》シリーズですが、

邦楽器の独奏曲は、二十絃箏のための第10番に続いて2作目となります。

邦楽器作品を数多く手掛けてきた筆者にとって、初めての三味線独奏曲です。

 

NPO法人日本現代音楽協会「演奏家+作曲家コラボレーションシリーズ」の一環として、

三味線作品が集中して初演される企画が2022年3月7日に開催されました。

一挙に7曲の新作が初演されたコンサートの主人公は、野澤徹也さんでした。

その公演で初演された作品が、この《フォノXⅥ》です。

 

 


曲は、拍節感・定常リズムを伴わない揺蕩うような前半部に始まり、

一転して一気呵成に疾走する後半部でヴォルテージを上げて締め括る、

短いながらもピリリと存在感を放つ音楽になっています。

ここ10年以上私が継続的に手掛けてきた琵琶との近似性にも着目しながら

筆を進めた作品で、移調を可として、細棹・中棹・太棹・琵琶

何れでも演奏できることを想定しています。

### PHONO XⅥ - for Shamisen solo ###
   フォノ第16番~三味線独奏の為に~
         (2022)   

初演:2022年3月7日 Tokyo Conserts Lab

ー演奏家+作曲家コラボレーションシリーズー
     野澤徹也三味線リサイタル
     演奏:野澤徹也(三味線)

 

演奏時間:約4分               
 

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この私のPHONOシリーズは未出版のものが多いので、
楽譜をお求めの方は、直接ご連絡をいただくか・・・
「マザーアース株式会社」(Tel:03-3455-6881
を通してお問い合わせください。
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国際木文化フェスティバルの日本初開催の各種イベントの回想を続けています。

《World Wood Day 2025 Japan》(《ワールト・ウッド・デー 2025 日本大会》)

(略称:WWD2025)は、2025年3月から11月にかけて、断続的に開催されました。

SDGsにも繋がる、地球環境持続的保全の根幹にも関わる"木の良さ"(Wood is Good !)を

スローガンに掲げる、IWCS国際木文化学会(本部USA/CA)とJWCS(一社)日本木文化学会が、

ワールト・ウッド・デー 2025 日本大会実行委員会を組織して開催した国際フェスティバルでした。

皆様のご注目、ご来場、誠にありがとうございました。

 

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3月16日〜19日開催の仙台での<シンポジウム>、3月20日開催の<オープニング・コンサート>、

そして3月21日から27日にかけて展開する<国際青少年木工交流キャンプ>に続いて、

会場を東京大学田無演習林に移して、<植樹活動>の式典が行われた後、

4月に入ると富山県の井波彫刻に会場を移して<国際木彫キャンプ>、

そして5月下旬には大阪→静岡→山梨と3箇所をめぐる<木工ろくろ実演>、

更に6月初旬には大阪市立美術館での<木版画作品展示>と続きました。

そして、7月下旬には<ウッドデザイン>が行われました。

ウッドデザイン

テーマ: 木霊:木の精霊
開催日:7月22~30日
会場:Mt. Fuji Wood Culture Society「まなびの杜」木工スタジオ(山梨県河口湖)

 

河口湖と富士山を望む素晴らしいロケーションに恵まれた木工研修施設、

Mt. Fuji Wood Culture Society「まなびの杜」に世界各国の家具職人が集結して、

この期間に個性とアイデアに溢れた作品の制作に専心しました。

期間中の週末には一般の方々にもお楽しみいただけたオープンデーも行われました。

 

 

 

 

毎年の3月21日は、IWCS国際木文化学会が提唱する World Wood Day であり、

国連が制定している 国際森林デー でもあります。

また、10月8日は日本の「木の日」です。

概ね、この3月21日から10月8日にかけての約半年間の会期の中で、

全国各地で各種イベントの断続的な開催を展開する分散開催方式で、

《World Wood Day 2025 Japan》/《ワールド・ウッド・デー2025日本大会》

を開催してまいりました。皆様のご注目、ご来場、ご協力に感謝もうし上げます。

 

 

英語サイトはこちらです。

https://www.worldwoodday.org/2025/

 

明日以降も、各イベントを回想する記事を連続掲載していきます。どうぞお楽しみに!

 

 

アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第205巻の紹介です。

 

 

毎号のお楽しみになっているNゲージサイズ車両模型ですが、本号では、

所謂"セノハチ越え"を支えるシェルパ機関車=EF67形直流電気機関車の

真っ赤な塗装をまとった雄姿をお楽しみいただけます。

 

 

それではいつものようにパッケージを解いて、

奥底から第205巻の冊子を取り出しましょう。

 

 

巻頭記事はこのところの通例で、付録模型の車両形式の解説です。

山陽本線の八本松ー瀬野間は、「瀬野八」と通称されて知られる22.6パーミルの

急勾配が連続する難所となっています。そのため、重量列車では

列車の最後尾に補助機関車を連結して坂を押し上げるスタイルで運行されています。

その補助機関車専用に開発されたのが、EF67という訳です。

新造ではなく、EF60もしくはEF65を改造して誕生した形式でもあります。

赤11号を基調とした塗色をまとって、後継機への置き換えが進んだ現在も、

まだ一部は現役で活躍しています。

 

 

次のページをめくると、JR東日本の新幹線の電気・軌道総合検測車、

E926形電車"East i"の特集です。

ミニ新幹線の線区にも乗り入れて検測できるように、

秋田新幹線用のE3系を基本とした車体規格と性能を有していて、

各種検測機器を装備した6両編成で活躍しています。

 

 

更にページをめくると、国鉄キハ07形を改造して生まれた気動車の写真が目を惹きます。

鹿島鉄道キハ600形の特集です。登場当時の丸みを湛えた独特の先頭部の形状は、

その後の改造で平妻化されてしまいなくなりましたが、小まめな窓がズラリと並ぶ

3扉の側面に往時の面影を残していました。

現在は601が動態保存されているということです。

 

 

「日本の鉄道の歴史」シリーズは、青梅鉄道公園の特集です。

日本の鉄道90周年を記念して1962年に開館した鉄道保存公園です。

山の上に位置していて、以外な車両に出会えるスポットとして、

根強い人気を誇っています。入場料は今でも100円という貴重な存在です。

 

 

巻末記事はいつものように「観光列車」シリーズです。

本号では、JR九州の新幹線車両800系の特集です。

九州新幹線鹿児島ルート向けに開発されて活躍している車両です。

九州新幹線内での運行を基本とするため、6両編成で全て普通車という構成ながら、

郷土色を盛り込んだインテリアなどで大いに魅力的な新幹線車両に仕上がっています。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズは、まだまだ続きます。

 

 

ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ
(Dmitrii Dmitrievich Shostakovich / 1906-1975)の
交響曲(全15曲)の探訪を先々週からアップしていますが、
いよいよ最終回が近づいてきました。

ベートーヴェン以降のシンフォニストのジンクスであった
「交響曲第9番」を超えることが不可能ではないかという
大きく聳え立っていた壁を越えて、あのマーラーも
為し得なかった二ケタ番号交響曲の完成という
偉業を若くして成し遂げたショスタコーヴィチは、
孤高の境地を歩んでいきました。

しかし、意表を突いた小振りな<第9番>が
"ジダーノフ批判"の対象になってしまうという苦境にも立ち、
<第10番>の発表は1953年になりました。

その<第10番>によって第2次世界大戦に関連した
"戦争シリーズ"を完結すると、次には、
ロマノフ王朝末期の「血の日曜日」事件を扱った
表題交響曲<第11番「1905年」>(1957年)、そして、
レーニンによる「十月革命」を題材とした表題交響曲
<第12番「1917年」>(1961年)と、
体制賛美の色合いが濃い作品を続けました。

しかし、続く<第13番「バビ・ヤール」>(1962年)では、
非スターリン化が進行していた"雪解け"の時期とは言え、
大胆にも、エヴゲニー・エプトゥシェンコの
体制批判的な詩をテキストに用いて、
初期の交響曲以来封印してきた声楽付交響曲のカタチを
復活させた音楽で内外に大きな反響を巻き起こしました。

その後、交響曲の作曲から
暫く遠ざかったショスタコーヴィチは、
1969年に発表したこの<第14番>で、
またまた新境地に踏み出しました。
無調性・十二音技法・トーンクラスターといった、
当時のソヴィエトでは遠ざけられていた前衛的技法を、
自分なりに消化したカタチで応用した作品になっています。

交響曲というよりもオーケストラ伴奏歌曲集とでも言うべき、
外観を持った作品で、ソプラノとバスの独唱を伴い、
オーケストラは弦楽器と打楽器のみという編成で、
例外的に多い11楽章から構成される点が大きな特徴です。
マーラーの交響曲「大地の歌」を思わせるとも言えるでしょう。

###交響曲第14番 ト短調 作品132「死者の歌」###

[第1楽章]「深いところから」Adagio
 バス独唱が、ロルカによる歌詞を歌います。

[第2楽章]「マラゲーニャ」 Allegretto
 同じくロルカの詩による歌詞で、今度はソプラノが歌います。

[第3楽章]「ローレライ」Allegro molto - Adagio
 この楽章から歌詞はアポリネールになります。
 打楽器が多用され、前半のアクセントになる楽章です。
 二重唱で歌われます。

[第4楽章]「自殺者」Adagio
 ソプラノ独奏にチェロ独奏(オケ首席)が絡みます。
 歌詞はアポリネールです。

[第5楽章]「心して」Allegretto
 シロフォンが12音音列を奏して始る楽章です。
 兵士とその姉妹の近親相姦をテーマとした、
 アポリネールの歌詞が、ソプラノ独唱で歌われます。

[第6楽章]「マダム、御覧なさい」 Adagio
 アポリネールの歌詞が二重唱で歌われます。
 シロフォンが寂寥感を漂わせます。

[第7楽章]「ラ・サンテ監獄にて」Adagio
 アポリネールの歌詞がバス独唱で歌われます。

[第8楽章]「コンスタンチノープルのサルタンへの
      ザポロージェ・コサックの返事」Allegro
 ここでもバス独唱によってアポリネールの歌詞が歌われます。

[第9楽章]「おお、デルウィーク、デルウィーク」Andante
 この楽章だけ、歌詞はキュッヘルベケルによるものです。
 バス独唱によって歌われます。

[第10楽章]「詩人の死」 Largo
 ソプラノ独唱によって、今度はリルケによる歌詞が歌われます。
 ここでもシロフォンの効果的な使用が印象的です。

[第11楽章]「結び」Moderato
 リルケの歌詞による終楽章です。
 人生の結びである死を賛美した内容が歌われます。
 結尾で弦楽器のパートが細分化されて、
 トーンクラスター状の音響となります。
 当時の西欧の現代音楽シーンでの大きな潮流となっていた
 トーンクラスターを、ショスタコーヴィチなりに試みた
 密かな気概を感じさせてくれます。

YouTube / Dmitri Shostakovich: Symphony no.14 op.135
Jitka Soběhartová - soprano
Jan Ericsson - Bass
Filharmonický orchestr Iwasaki
Chuhei Iwasaki - conductor


全11楽章で演奏時間は60分弱位が標準的でしょうか。
何とも厳粛且つ不思議な交響曲です。
仕事場にあるCDは、初演を指揮したバルシャイの指揮による
モスクワ室内管弦楽団の演奏です。

CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第14番「死者の歌」
   ルドルフ・バルシャイ指揮/モスクワ室内管弦楽団
   TOKYO FM / TFMC-0036
バルシャイ盤
###映画「007~ダイヤモンドは永遠に」###

1971年作品 監督=ガイ・ハミルトン
主題歌=シャーリー・パッシー
音楽=ジョン・バリー
ジェームズ・ボンド=ショーン・コネリー
ボンド・ガール=ジル・セント・ジョン
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前作で起用されたレゼンビーは結局「女王陛下の007」
一作のみの主演で終わり、再びショーン・コネリーが
ジェームズ・ボンドに登板しました。

ショーン・コネリーは、あまりにもジェームズ・ボンドの
イメージが強くなってしまう事を嫌って、
当初は再登板を固辞したと言われていますが、
最終的には破格の高額出演料を提示もされ、
再びの出演が実現しました。

この「ダイヤモンドは永遠に」は、
イアン・フレミングの原作としては
「ジェームズ・ボンド」長編小説シリーズの4作目、
映画「007シリーズ」としては第7作となります。

宿敵ブロフェルドを遂に見つけて殺害を果たしたボンドは、
休養を兼ねて南アフリカのダイヤモンド大量盗難事件の
捜査という地味な任務を命じられますが、
やがて深い謎と凶暴な黒幕に挑んでいくことになります。

ボンド・カーには、ヒロイン(ボンド・ガール)の
ティファニー・ケイスの車としてではありますが、
フォード・マスタング・マッハ1が登場しています。

ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドは、
この作品で一端おしまいとなり、
この後の作品からはロジャー・ムーアが起用されます。

引き続き「007シリーズ」を回想していきます。
映画は楽し! 音楽もまた楽し!

YouTube / ダイヤモンドは永遠に (字幕版)

今日は最新作、2022年2月20日に初演、3月19日に再演された

二人の横笛奏者と一人の打楽器(和の打ち物)奏者のための作品の紹介です。

 

注)初演公演の模様の記録動画をリンクしました。

  55分あたりからこの曲の演奏の部分になっています。

  下記の記事内容をご一読の上、ご視聴ください。

 

 

洗足学園音楽大学の大学院の和楽器専攻には、

近年になって中国からの留学生が入学してくるようになりました。

東アジアにには、ルーツを同じくする同属楽器が多数存在します。

箏、笛、尺八、琵琶、三味線、胡弓などが上げられます。

中国で古箏を勉強した方が日本で箏の奏法を習得したり、

中国で笛子を勉強した方は日本で篠笛や能管の奏法を習得したり、

あるいは東アジアの同属楽器の比較研究をしたり・・・

といった学生が増加傾向になるという訳です。

 

2021年度は篠笛専攻の二人の留学生が在籍していたので、

その二人のための大学院生新作初演プロジェクトとして、

私の最新作が下記の2公演で初演される作品を作曲しました。

コンサートホールのステージを"能舞台"や"枯れ山水"(石庭)に

見立てたようなイメージを脳裏に描きながら、筆を進めた作品となりました。

 

 

<解説>

曲は、鼓による”落とし”のリズムに始まり、横笛奏者が能舞台を静々と進む役者のように
舞台上を移動しながらやがて左右に離れた定位置に至る<序>に始まり、
五音連打によるモティーフが団扇太鼓を伴いつつ次第に増殖していきながら

次第にリズム感が明確になっていく<漸増>を経て、
明確な4拍子が確立されて進行する<祭り幻想>が輝きを放った後、
締太鼓による間奏<轟>を経て定常拍節感が無い音楽に回帰する。
最後は二人の横笛が呼び交わしがやがて天空の彼方に消えていくような

<呼応>に収束していく。
タイトルは、1999年に国立劇場委嘱作品として作曲して初演された「呼鼓悠遊」

(小鼓・大鼓・三味線・十七絃箏・打楽器)に一脈通じる音世界を有していることから、

姉妹作という意味もこめて「呼笛悠遊」と命名した。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪ 松尾祐孝《呼笛悠遊》 初演公演♪♪♪♪♪♪♪♪

 

   初演奏者: 能管・篠笛=馮蕊  篠笛=馬新凱   

       和太鼓(小鼓・団扇太鼓・締太鼓・鏧=冨田慎平

 

・・・・・2022年2月20日(日) 邦楽 dai12回定期演奏会・・・・・

       17時開演 @ 洗足学園 前田ホール

           (一般入場不可)

 

連携:World Wood Day 2022(オンライン国際フェスティバル)

開演:17:00 (YouTube Liveによる同時配信)

 

■プログラム

 「LITURGIA」ディエゴ・ルズリアーガ 作曲 (1) (2) 

 「調・下り葉」根笹派古典本曲

 「津軽三下り」「津軽じょんから節」津軽三味線独奏

 「ゆき」地歌

 「呼笛悠遊」 松尾祐孝 作曲(新作初演 / 大学院生プロジェクト)

 「深みどり」石垣征山 作曲

 

■出演

 現代邦楽コース学生・院生・卒業生  

 電子オルガンコース学生(1) 打楽器コース学生(2)

 吉原佐知子(講師:箏) 野澤佐保子(講師:三絃) 冨田慎平(和太鼓) 

 山口賢治(講師:尺八) 松尾祐孝(司会&作曲・指揮)

■協力:電子オルガンコース 打楽器コース

■主催:洗足学園音楽大学・大学院

■企画制作:現代邦楽コース ■協力:現代邦楽研究所

■国際連携:World Wood Day 2022

 ( 主催:International Wood Culture Society (一社)日本木文化学会 )

 

・・・・再演:2022年3月19日(日) 大学院スペシャルコンサート・・・・

 

 

国際木文化フェスティバルの日本初開催の各種イベントの回想を続けています。

《World Wood Day 2025 Japan》(《ワールト・ウッド・デー 2025 日本大会》)

(略称:WWD2025)は、2025年3月から11月にかけて断続的に開催されました。

SDGsにも繋がる、地球環境持続的保全の根幹にも関わる"木の良さ"(Wood is Good !)を

スローガンに掲げる、IWCS国際木文化学会(本部USA/CA)とJWCS(一社)日本木文化学会が、

ワールト・ウッド・デー 2025 日本大会実行委員会を組織して開催した国際フェスティバルでした。

皆様のご注目、ご来場、誠にありがとうございました。

 

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3月16日〜19日開催の仙台での<シンポジウム>、3月20日開催の<オープニング・コンサート>、

そして3月21日から27日にかけて展開する<国際青少年木工交流キャンプ>に続いて、

会場を東京大学田無演習林に移して、<植樹活動>の式典が行われた後、

4月に入ると富山県の井波彫刻に会場を移して<国際木彫キャンプ>、

そして5月下旬には大阪→静岡→山梨と3箇所をめぐる<木工ろくろ実演>と続き、

6月初旬には大阪市立美術館での<木版画作品展示>となりました。

木版画作品展示

木版画作品展示は、6月3~8日の期間、大阪市立美術館(大阪府大阪市)で開催されました。

この催しはEXPO2025 大阪・関西万博に関連したコラボレーション企画の一つで、

シュールレアリズムに焦点を当てている美術文化協会の美術展の一角に、

WWD2025のコーナーを設定していただき、IWCSが所蔵する木版画作品や、

JWCSが推薦する作品などが展示されました。

 

 

美術文化協会の公式ホームページに詳しい情報がアップされていますので、

下にリンクしておきます。是非、ご覧ください。

その記載の中にあるように、<ワールド・ウッド・デー賞>と<日本木文化学会賞>を、

美術文化協会の作品展に贈賞するという交流協同も行うことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

毎年の3月21日は、IWCS国際木文化学会が提唱する World Wood Day であり、

国連が制定している 国際森林デー でもあります。

また、10月8日は日本の「木の日」です。

概ね、この3月21日から10月8日にかけての約半年間の会期の中で、

全国各地で各種イベントの断続的な開催を展開する分散開催方式で、

《World Wood Day 2025 Japan》/《ワールド・ウッド・デー2025日本大会》

を開催してまいました。皆様のご注目、ご来場、ご協力に感謝申し上げます。

 

 

英語サイトはこちらです。

https://www.worldwoodday.org/2025/

 

明日以降も、各イベントを回想する記事を連続掲載していきます。どうぞお楽しみに!