第6話 / 愛の命を賭けた訴え
~私にはもう時間がないの・・・~
「風のある町」
風のある町を君と歩いたね 風のある町で君と話したね
(いつでも2人一緒に・・・Woo ooo)
今では何もかもが遠い日々の 記憶にかすむ出来事だけど
僕の生活(くらし)の中では まるで時計が止まったように
あの青春(ひ)の君が今でも なにひとつ色褪せもせず美しいままで生きている
歳をとったせいだろうか 意味もない自分探しをするのは
もう帰れないからだろうか あのときめきの青春(じだい)の瞬間(なか)には
心地よい陽だまりの中の 眠りから目覚めたら
何の輝きもときめきもない 時の流れに置きざりにされた僕がいた
「アメージンググレイス」
アメージンググレイス・・・
もう泣くのはやめて 愛しき我が子よ
眠りなさい この聖母(はは)み胸で
その涙と 傷の痛みが
心やすらぎ 消えるまで
天子の子守唄 聞きながら
~前回のあらすじ~
――ピンポーン――
大輝の突然の訪問に、さすがに当初は百合子も驚いていたが、彼と愛との真実の関係を一番良く知っている彼女は、最終的には彼の訪問を快く出迎えてくれた。
「ところで亀梨さん、突然連絡もなしに訪ねてくれるなんて、何かあったのですか?」
百合子は、大輝の突然の訪問を不思議がりそう尋ねた。
「実は、今日僕がお邪魔したのは、愛ちゃんの望みを叶えてあげたかったからです・・・」
「愛の望み?」
『そうです。お母さんも一緒に病院に行ったときに聞いていたでしょう。愛ちゃんが僕に対して、「大空を飛んでみたい・・・」と話していたことを・・・』
大輝が考えた、その愛の望みを叶えてあげる方法とは、スカイダイビングで彼女に羽のついた天使のように、大空を自由に飛ばせることだった。
百合子は、最終的には大輝の話の内容を理解はしてくれたものの、愛の母親として彼女の病気のことを考えると、まったく彼の話に賛成することはなかった。
だが大輝は、今ここで自分が引き下がってしまうと愛との約束を守るどころか、彼女が生きている間に彼女の望みを叶えてあげることは、とても無理だという思いが彼の心の中に強くあったために、その思いを涙ながらに百合子に土下座して何とか考え直してくれるように訴えた。
その甲斐があり、しぶしぶではあったが百合子は愛の父親である泰三や、愛の主治医である堂本誠と交渉してくれることを承諾してくれた。
百合子が、泰三に連絡を取り大輝から聞いた話を伝えると、当初は彼女の話している姿を見ていると、かなり泰三が彼女に対して怒りをぶつけている様子が判断できたが、どうやら最後は彼女に説得されてしぶしぶ承諾したようで、愛が入院している慶都病院の一階の受付の前で、彼の仕事が終わる七時に待ち合わせることになった。
そして、百合子は同時に緊急に相談したいことがあるといって、愛の主治医である堂本誠にも同席してもらうことの約束を取り付けてくれた。
大輝と百合子が、タクシーで病院に向かい慶都病院に到着すると、約束の一階の受付の前で泰三が大柄な躰をイラつかせるように揺り動かしながら、彼の運転手の河本輝夫と一緒に待っていた。
「お前たち、遅いじゃないか・・・」
「すみません・・・」
まだ約束の時間の七時まで十五分も前だというのに、相変わらず泰三は横柄な態度で百合子に文句を言っていたが、今回の大輝の計画には相当腹を立てているようで、彼が挨拶をしても彼とは一切口を聞こうとはしなかった。
愛が入院している病室の八階の受付を尋ねると、百合子が連絡を入れていたこともあり、彼女の主治医である堂本誠が待っていてくれて、診察室と隣接した場所にある入院患者や、その家族への病状の説明に使われるカンファレンス室を、今回の相談ごとのために用意してくれていた。
堂本は、百合子の話を聞いたとたん「そんなこと、本気で言っていっているのですか?」と言い、あっさりと百合子の話を断った。
そして、二人の会話をすぐその隣で聞いていた泰三が、「こんな馬鹿げたことで、俺まで呼び出すなんて・・・」と吐き捨てるように言った。
「せ、先生なんとかお願いできませんか?愛ちゃんが僕に最後に託した希望なのです・・・」
「亀梨くん、君のようなド素人が何を言うのかね。第一、家族でもなんでもない君が、先生にそんなことを話すなんて大変失礼ことなのだぞ。」
「まあ、まあ、そう怒らずに落ち着いてください。彼も彼なりに愛ちゃんのことを思って一生懸命やったことでしょうから・・・」
さすがの泰三も、愛の主治医である堂本には頭があがらないみたいで、ブツブツ口ごもって愚痴は零していたものの、大輝に対してそれ以上何かを言うことは、ひと言もなかった。
と同時に――これでもう愛の、「大空を飛んでみたい・・・」という望みは、すべて絶たれてしまった。
「せっかくお見えになったのだから、ついでに愛ちゃんの病室を寄って行ったらどうですか?」
堂本の勧めもあって、もう通常なら面会の時間はとっくに過ぎていたが、堂本の同行のもと三人は、十二階にある愛の病室に立ち寄ることにした。
大輝たちが愛の病室を訪ねると、彼女は病気の治療のための点滴を受けている最中だったが、すぐに大輝の姿に気がつくと満面の笑みを浮かべながら、点滴用のスタンドを片方の空いている左手で押しながら、彼の方に向かって近寄って来た。
そして、大輝に分かるようにひと言ひと言ずつ大きく口を開いて、「今日は、何をしに来たの?」尋ねた。
大輝は、愛のその言葉の意味を理解すると、ショルダーバッグの中から以前に彼女と話したときと同じように大学ノートと取り出し、彼女の問い掛けに対して返事を書いた。
――今日は、君がこの前来たときに僕に話していた「大空を飛んでみたい・・・」という、君の望みを叶えてあげたくて、君のお父さんやお母さんそれに主治医の堂本先生にお願いに来たんだけど、どうやら君の病気(体調)のことを考えると、とても難しいという結論になってしまって。だから、ごめんね。君の望みを叶えてあげられなくなって・・・――
その大輝が書いた言葉を目にした瞬間、愛は泣き狂ったように点滴用の器具を自らすべて取り外して床に投げ捨てると、無菌室の扉を勝手に開けて四人がいる病室の廊下に飛び出して来た。
そして、百合子や主治医の堂本の制することにも耳も貸さずに、自ら四人の足元に跪いて床に顔を押し付け、大粒の涙をボロボロ零しながら大声で訴えた。
「お願い、私にはもう時間がないの・・・」
「それは、本当はパパやママそうだけど、先生だって知っていることでしょう・・・」
「だから、私は自分の命と引き換えにしても、大輝との残こされた時間を少しでも大切にしたいし、自分の望みを叶えたいの・・・」
「ねえ、パパもママも先生も、私のそんな気持ちを分かってくれてもいいでしょう・・・」
さすがに、愛のその行動をみたら、どんなに頑固な泰三であろうと、心を動かされずにはいられなかった。
もちろん、それは百合子も主治医の堂本もその思いは同じだった。
※今回の作品~青春うたものがたりシリーズ1~「風のある町」の中で、私がつけたそれぞれの人生の“ターニングポイント”は、「緑の文字」の部分です。ぜひ、みなさんもこの作品を読んでみて、自分だったらどの部分を自分の人生の“ターニングポイント”にするか?チェックしてみてください。ただし、このものに対しては、誰が選んだものが正解だとか不正解だとかという決まった答えはありませんが、精神心理学の専門家の話によりますと、その選び方ひとつで、みなさんのこれからの人生の運命が、幸せになるのか不幸になるのかの、そのふたつのどちらかかの「運命の道」に、間違いなく分かれて行くことだけは確かなことのようです。
今日からは、普通の今流行の女子高校生として芸能界入りを目指す、「Super SantaClaus シンデレラ」が、どんな女子高校生だったか?おさらいをしてみましょう。そして、それと同時に、「Super SantaClaus シンデレラ」の新しく修正した作品ストーリーを使って、人生の “ターニングポイント”(分岐点)を、探し出し学習をしてみます。すべての人にとって自分の人生の“ターニングポイント”を知るための学習力をマスターすることは、これからの自分がどんな運命を辿るのか?人生の決断時において、大いに役立つことだと思いますので、ここでしっかりとその学習力を身に付けるための技術をマスターしてくださいね。
道10
「Super Santa Clausシンデレラ」誕生編
~ ほたる 5 / 最終回 ~
ララちゃんが、天の国行きの汽車に乗らずに人間界に留まっていた理由の、彼女を引き逃げした犯人を捕まえることと、彼女が住んでいた村の川と沼にかつてのように“ほたる”やめだかたちが住めるようにしてあげることの、ふたつの問題を解決してあげたシンデレラとルドルフおじさんは、彼女を人間界に残し呪縛霊にしないための、最後のSuper SantClausとしての使命である、彼女を天の国行きの汽車に乗せてあげるために、大急ぎで天の国行きの汽車の乗り場がある八咫烏森の森の駅に向かいました。
やはり、最初ララちゃんはシンデレラやルドルフおじさんと別れて、一人で天の国行きの汽車の乗るのを嫌がってすねていましたが、最終的にはシンデレラの愛情ある説得に応じて、汽車に乗ることを快く承諾してくれました。
――プォーォー、プォーォー、プォーォー・・・・・――
三人が天の国行きの駅に到着すると、もう出発を告げる汽笛がホーム中に鳴り響いていました。
「シンデレラ、ララと最後に約束してくれる・・・」
「なにを?」
「今度、またララが人間に生まれ変わって戻って来たら、これまでと同じように友達なってくれる?」
「もちろんよ・・・」
「じゃ、指きりしてね・・・」
ララちゃんは、まだ紅葉のような小さな手を出し、その小指でシンデレラと指きりしました。
「♪指きりげんまん嘘ついたら針千本のーます・・・」
ララちゃんは、シンデレラと指きりすると安心したのか、蒸気機関車独特のエンジン音を響かせながら出発どきを待っている汽車の乗車口の方角に向かって、満面な笑みで手を振りながら駆けて行きました。
――シュッ、シュッ、シュッ、シュッ・・・・・――
――ゴットンガットン、ゴットンガットン、ゴットンガットン、ゴットンガットン・・・・・――
やがて、ララちゃんを乗せた天の国行きの汽車はしだいに加速をつけて走り出すと、“グゥオー、グゥオー”というものすごいエンジン音を響かせながら、青い澄み渡った冬の夜空に向かって飛び立って行きました。
汽車が夜空に飛び立ったとたん、驚くようなことが起こりました。
それは、どこからともなく何十万匹いや何百万匹はいると思われる“ほたる”の群れが、その汽車の周りに飛んで来て――
「ララちゃん、Merry X’mas」という文字を、夜空いっぱいに“ほたる”の光のイルミネーションで描いたからです。
さすがにこれにはララちゃんも、当初は何がなんだか分からずに驚いていましたが、シンデレラの拳を握り親指を立てるgooサインを見て、ようやくその意味を理解し感激でいっぱいになりました。
「ありがとう・・・シンデレラ・・・」
これは、シンデレラがララちゃんために贈った、最後のクリスマスプレゼントだったのです。
やがて、ララちゃんを乗せた天の国行きの汽車は、数百万匹の“ほたる”のつくったトンネルを潜り抜けながら、冬の星座の中に混じり小さな点になって消えて行きました。
※今回の「Super Santa Clausシンデレラ」の誕生編~ ほたる 5 / 最終回 ~作品の中で、“シンデレラ”と“ルドルフおじさん”が、天の国に向かうララちゃんのために最後に用意したもの(クリスマスプレゼント)の“ターニングポイント”は、すべてが「赤い文字」書かれている部分です。このシンデレラたちの行動を見ていますと、いかに彼女たちの行動には愛情や温もりが溢れていて、人としての人心術の“ターニングポイント”を押さえているかということが、よく分かりますよね。
本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が38歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることが分かりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。
「家族ってなんだろう?」 そんな疑問に悩み苦しんで
いつも孤独と不安におののきながら 死ぬことさえも考えた僕だった
だけど、そんな孤独と不安の中で もがき苦しむ僕に優しく手をさしのべて
愛ある温もりと生きる勇気を与えてくれて 僕を救ってくれたのは家族だった
だからもう過去を振り返って 人生の道に立ち止まりメソメソ泣くのはやめよう
だからもう心に鍵を掛けて 今の生活(くらし)から逃げ出すのはやめよう
僕にはこの世で一番 僕を愛してくれる 家族がいるから・・・・・
(14)
いくら、“マザー・テレサ”との本の出会いで生きる光明を得たと言っても、いちど狂ってしまった人間の人生の運命が、そう簡単に修正できるはずがなかった。
そして、月日が経つのは早いもので、もうかれこれ家族と離散して暮らすようになってから、三年近くが経っていた。
ただ、家族に見放されて独りぼっちになり、生きることを含めて人生の何もかにも嫌になって、自分が生活していくための仕事でさえ探そうとはせずに、一日中外出することすらも億劫に感じて家の中でゴロゴロしながら、事あるごとに生きることより死ぬことばかりを考えて毎日を送っていたときとは違い、少しずつではあるがすべての物事をポジティブに考えられるようになっていた。
そして、これまでに比べるとかなり規模的に小さい会社で安い給料だったが、つい最近まで親兄弟に迷惑を掛けて、すべての生活の面倒を見てもらっていたものを、きちんとした職が見つかって働けるようになるまでに立ち直れたことで、なんとか一人立して自活できるようにまでにはなっていた。
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やがて、ジングル・ベルの鈴の音が鳴り出し、♪ジングル・ベル ジングル・ベル・・・と聖歌隊合唱の歌が聞こえ始めると、天空から鮮やかな無数の色の光が降注いで来てシンデレラの全身を包み込み、グルグルと竜巻のように猛スピードで回転しながら彼女の躰が上空の方に向かって引っ張られて行くと、彼女はいつの間にかSuper Santa Claus「シンデレラ」に変身していた。
――Super Santa Claus「シンデレラ」に変身した、シンデレラの姿がどんな格好をしているかって?そりゃあ、画を描くのがあまりうまくないし、変な画を描いて載っけてみんなを驚かせたら悪いから、読書のみんなにそれぞれに想像してもらって、自分のイメージSuper Santa Claus「シンデレラ」を創ってもらうのが一番手っ取り早いかな・・・――
「Super SantaClaus シンデレラ」
本作者が、よけいなことをしゃべったおかげで、“シンデレラ”の宇多田ヒカルや浜崎あゆみのような、ミュージシャン(歌手)になるという夢も絶望的になって来たと思えますが、果たして芸能界の謎の大物フィクサーとの話し合いで、その問題を上手く解決できるのでしょうか?とても、その対談が楽しみですね。
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