~青春うたものがたりシリーズ3~「種子島あおぞら教室卒業生」 31 | おとぎのお家と仲間たち

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Web上のアンデルセンやグリム童話、ディズニーランドのように子供と大人が一緒になって楽しめる、エンターテイメントと感動がいっぱいの作品(コンテンツ)を、お届けします。

音譜只今、当ブログでは当関連ブログの人気作品シリーズのひとつである~青春うたものがたりシリーズ3~「種子島あおぞら教室卒業生」新作品の連載を行っています。本作品は、昭和30年代前半から40年代前半(日本の高度成長期)の種子島の中央に位置した町、中種子町のある小さな農村地帯M村(M部落)に生まれ、種子島で幼年期から高校を卒業するまでの少年期を過ごした、今は東京に住む下田達也という一人の壮年男性の人生体験を通じて、 “家族愛”のテーマについてその答えを追求していく、ヒューマンドキュメントタッチ作品です。ぜひ、もう一度昭和という懐かしい時代に帰還して、“真実の人間ドラマ”の愛と感動に、会いに行ってください。


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「思い出」編 21

ようかい ようかい ようかいよ  金が あるから幸せなのか

愛が あるから幸せなのか分からないけど 分かっているのは貧しさが人の心を傷つけ悲しませることさ



「ようかい」/種子島に伝わる子守唄の替え詩

借金取り 2

ただ、どんなに父と母(勇蔵と小春)の情けない姿を見て、達也自信が疑問や口惜しさを感じたとしても、何の後ろ盾もない無力な高校生の彼にとっては、この問題を解決することは、正直に言って、“空の星を取って来い・・・”と言われるのに等しいくらいに、難しいことだった。

「人うだまかあちぇものう仕入れちぇおいちぇ、知らんつらをしちぇるなんて、おいじいもおいじいじゃけど、ばきいもばきじゃけりゃあ・・・(人を騙して商品を仕入れておいて、知らない顔をしているなんて、旦那も旦那だけど奥さんも奥さんだよな・・・)」

「女ちゅうのは、ひてえものう頼むときだきゃあ調子がよっかことをいうちぇ、嘘ういうのがうまっからなあ・・・(女というのは、人に物を頼む時だけは、調子のいいことを言って、嘘をつくのが上手いからな・・・)」

「勇蔵おいじいがばきいは、大嘘つきじゃちゅうちぇ、部落中にふれまわさんばいけんなあこら・・・(勇蔵の奥さんは、大嘘付きだといって、部落中に言いふらしてやらなければいけないようだな・・・)」

さすがに、金を払わない父と母の方が悪いと分っていながら、達也が髭面の男の容赦ない罵声攻撃に、とうとう我慢が出来なくなりついつい口を挟んだのは、髭面の男の標的が父から母に移り、母の頬から涙が零れ落ちるのを見た瞬間(とき)だった。

明らかに、髭面の男が母を攻撃の標的の対象に変えたのは、彼の父に金を払わせるための陽動作戦めいたものだった。

そうだと分かっていても、それでも達也が何しろ嫌だったのは、母が自分の目の前で誰かに罵倒されて、その涙を見ることだった。

その心の痛みから、達也は前後の見さかいもなく、思わず叫んでしまった。

「そのじぇにゃあ、おいがはろうちぇやっから、頼むからもうこい以上、母ちゃんの悪口ょういうのはやめちぇくれんじゃろうか・・・(その金は、僕が払ってやるから、お願いだからもうこれ以上、母ちゃんの悪口を言うのは止めてくれないだろうか・・・)」

達也のこの訴えに、髭面の男はもちろんだが、さすがに父と母も驚きのあまりに、「どうしたのだろう?」という形相で、あっけに取られてお互いの顔を見合わせていた。

この場での、達也の発言が三人を驚かせたのは事実だが、その反面でその発言を三人が疑っていたのも、また事実だった。

それは、達也自身でさえ自分が何を言っているのか?途中で頭がこんがらがって分からなくなるほど、その発言に対して、自分でもなんの信憑性も持てなかったからだった。

ただ、そんな母親ことを心配するいたいけな子供の気持ちを、百戦錬磨(?)の借金取りのプロの髭面の男が、そうやすやすと見逃し利用しないはずがなかった。

少しして、髭面の男は、今度は母から達也の方に視線を移すと、そのタイミングを見計らっていたかのように、今度は容赦なく彼に向かって罵声を浴びせるようになった。

「達也、わあのごたるガキい、なんがでくっとや・・・(達也、お前のような子供に、なにが出来るというのだ・・・」

「最初から、何もできんこたあわかちょることだから、生意気いおせの話しい首ょうつっこうぜぇ、父ちゃんにゃ母ちゃんに恥ょうかかせんごとせんば、親子で恥のぬりあいにならあほら・・・(最初から、何も出来ないことは分かっていることだから、生意気に大人の話しに首を突っ込んで、父ちゃんや母ちゃんに恥を欠かせないようにしないと、親子で恥の塗り合いになるじゃないか・・・)」


髭面の男は、達也に罵声を浴びせるたびに、いちいち父と母に伺いを立てるようにし、わざと彼の困惑ぶりを、二人に見せ付けるように計算していた。


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本当にスターになった女の子


芸能界編 1


音譜この話は、ちょっと読むと笑い話のように思えますが、本当はとても悲しい、芸能界のスターを目指していた女の子のネタ話です。

東北のある田舎町から出てきた“夢華”という、芸能界でのスターを目指している女の子がいました。

夢華は、ラーメン屋の定員をしながら、芸能界でのスターを目指している、今どきの若い人にしたら、とても心が純粋で優しい十八歳の女の子でした。

でも、神が与えた運命のいたずらか?東北生まれとあって言葉の訛りがひどい上に、実家が農家で高校を卒業するまで農作業の手伝いをしていたせいで、普通の同年代の女の子に比べて、とても指や足腰ががっしりとしていて太いのに加えて、一見したら男の子のように顔の色が真っ黒で、そうとうに肩幅が広い体系をしていました。

そのせいで、芸能界への道をつけるためのオーディションと名のつくものは、すべて受験するものの、常にすべてその度に書類審査(一次審査)の段階で落ちていました。

そして毎回、オーディションに落ちるたびにそのショックから、もう芸能界への道に進むのは諦めようという気持ちに何度もなりながら、いつも数日経つとなかなか諦めきれずに、また気付くと次ぎも同じことを繰り返していました。

しかし、やはりそれでも毎回結果は同じでした。

それでも、彼女は1日でもいいから、芸能界でスターになりたくてたまりませんでした。

ところが、ある日彼女の夢の中に神様がやって来て、「本当にお前はスターになりたいのか?」と尋ねました。

夢華がひとつの躊躇もすることなく、「はい!」と答えると、今度はその神様が「お前はその自分の命と引き換えにしてでもスターになりたいのか?」尋ねて来ました。

さすがに、“自分の命と引き換えにしてまでも、スターになりたいのか?”と聞かれると、かなり彼女はさっきまでとは違って躊躇しましたが、それでもやっぱり芸能界でスターになりたかったので、つい「はい・・・」と答えてしまいました。

そしたら、そのヒントとなる答えを教えてやるので、「明日、午後1時に彼女が住んでいるアパートの近くの公園に行って見なさい・・・」とだけ言い残して、その神様は姿を消してしまいました。

夢華は、どうせ夢の中での話だろうとは思いつつも、やはり気になったので、翌日の神様が言い残していった午後1時に、アパートの近くの公園に行ってみることにしました。

ところが、公園に行ってみると、普段の様子と何の変わりもなく、ただ数人の子供たちがその周辺を走り回って遊んでいるだけでした。

彼女は、自分が見た夢の馬鹿げた話に乗って公園にやって来たことを後悔しながらも、せっかく来たのだから気晴らしでもしていこうかという気持ちになり、しばらく公園のベンチに腰掛けて、そこで遊んでいる子供たちの姿や空や木々の風景などを眺めながら時間を潰していました。

すると、突然彼女の座っているベンチに5、6歳と思われる少女がやって来て、「お姉ちゃん、東京都庁の展望台から自殺をしようと思って飛び降りた少年がいるのだけど、死ななかったの・・・どうしてか知っている?」聞いてきました。

彼女は、その問題が答えられずにかなり戸惑いましたが、その少女は「彼が非行(飛行)少年だったから、空を飛んでいったからじゃない。アッハハハ・・・」と言い残したまま、また何処かに走って行って姿が見えなくなりました。

夢華は、アパートに帰ってから、「夢の中で神様が言っていたスターになるためのヒントって、もしかしてあの少女が言っていたこと???」

一晩中、晩らずに考えましたが、まったくそのヒントもそうですが、答えが分かりませんでした。

その夢華が、「私をスターにしてください!」書いたプラカードを首に下げ、東京都庁の展望台から飛び降りたのは、その3日後のことでした。


その日は、すべてのテレビや新聞などのマスメディアが夢華のことをニュースやワイドショーなどで取り上げ、彼女が神様と夢の中で約束したように、わずか1日だけでしたが日本中を騒がせるほどの、本当の大スター(星)になる夢が叶った日でした。



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