隙間です

部屋には

僕と同じぐらい背のの高さの鏡がある

いつも 君と葛藤をしている

いつまで 続くのだろう

見えない苦しみ

君も 苦しんでいるんだね

隙間より

心の隙間

           くちづけ

眠りたかったのだろう  静かに眠りたかったのだろう

空調の音だけが耳に聞こえる だれもいない最終の大阪行きの新幹線

手と手を触れ合いながら 僕らは同じ”過去”を運んでいた

なぜか ふたりとも 窓に見える流れる夜の景色は眼で見ようとしなかった

あまりにも 言葉に追いつめられ 胸の中のカラータイマーが鳴る寸前だった

昔 童話で読んだ 眠り姫のような 君の寝顔が優しすぎて 涙が溢れた 

ずっと ずっと 僕がそばにいるから もっと もっと 君を受け止めるから

そして 安らぎを求めるために 君に本当のくちづけをした




泣きたかったのだろう  おもいっきり 泣きたかったのだろう

タバコの自動販売機の前で 黒いベレー帽のうつむいた君

過去と過去が残酷すぎて 僕らは ”理由”もなく 繋がりあった

信じれば 信じるほど 哀しくなり どうしても 人に流されるまま人生だった 

自分の想っていたことと 裏腹に ”言葉”だけが ひとり歩きをしていた

平日の上野公園で撮った 僕らの未来の影 空が祝福してるようで 笑顔が零れた

ずっと ずっと 僕がそばにいるから もっと もっと 君を受け止めるから

そして 人生の空白を 改めるために また 二人は 手をつなぎ始めた



詩:隙間

隙間です

まだ 僕の人生は終われないのです

言葉だけの 人生なんて 嫌なんだ

隙間より

心の隙間

                SAKURA

戯れていなかった 僕の頭上で雨の中 桜の花びらが空を自由に舞っていた

プラスマイナスの磁石のように反比例しながら タンゴを踊っているように思えた

花びらの表と裏を交互に見せながら 一年に一回のグランドフィナーレを見せている

舞い踊りをしている桜の花達  表側しか見えない日本人が悲しくなってきた

桃色の花びらをじっと見ながら 人間の生きざまをリンクさせながら考えている

桜の花のように 桃色の笑顔のように 君とまた 春に会いましょうと願う

しっかり 目をまっすぐに  そう しっかりと生きていきたい


くっついていた 春嵐の中 車の窓ガラスに風も雨も負けずにしがみついてきた

精密ドリルのようにスパイラルをしながら 花びらの微笑みを窓ガラスから感じた

パワーウインドで雨の雫と遊びながら 一年に一回のアンコールの笑顔を待っている

孤独との戦いの桜の花達 謝ることしかできない日本人が恥ずかしくなってきた

必死にしがみついてきている バックミラーから遠ざかる桜並木が寂しく思えた

桜の花のように 桃色の笑顔のように 君とまた 春に会いましょうと願う

しっかり 目をまっすぐに そう しっかりと生きていきたい


              詩:隙間