隙間です

言葉は 人を動かす

その反面

言葉は 凶器になる

だから

僕は

もう 怖いのです

隙間より



心の隙間

                 夢愛

真っ白なテーブルクロスの上には庭で取れた真紫のブルーベリーと君の手作りのヨーグルト

僕の前にはウェッジウッドのコーヒーカップ 隣の椅子には飯を待っている 子犬がいる

森の中で朝の透明な風を感じ 焼きたてのパンの匂いがする理想の家庭を願ってた

小さなキッチンで料理をする うしろ姿の君 遠くで聞こえる小鳥の声が幸せであった

いつも心を掴みたくて でも いつも心が掴み取れなくて 君が消えることが恐かった

テーブルの上のグラス 残された氷だけが溶けていた 君のままでいい いつまでも僕の中にいるから 





落ち葉がゆっくりと二人に落ちていた 坂道を息を切らしながら君と手を繋ぎ歩いた 

太陽の光が樹のあいだをフラッシュバックのように僕らを照らしている 

本気に人を愛すれば 君が振り向いてくれるのだと いっしょにいることが愛情表現だと思ってた

山の頂上の公園で子犬と遊ぶ君  たかだか それだけの事が僕には幸せだった

いつも君を見ていたくて でも いつからだろう 君が見えなくなることが不安だった

僕の記憶の中では ずっと 生きている 取り残されたエプロン いつまでも君のそばにいるから


詩:隙間

隙間です

できるだけのことは

僕なりに伝えた

だから

僕は 死の準備をする
 
隙間より。

心の隙間

               声

僕の鼓動が聞こえますか       貴方の心が深く感じられるのなら

僕はどうなってもいいのです     貴方の声が聞こえるだけでいい

雪解けの太陽の下で          僕は山の向こうをずっと眺めています

太陽よ貴方の力をわけてください   神様よ いるのならば 見ていてください

やまびこのように心に響く       微かな 声を探しています

貴方のそばに一生いたいから     僕が眼を閉じるまで 君を見ていたいのです



僕の愛情が届いていますか     君のやさしい言葉が僕の命ならば

僕はどうなってもいいのです     君の事を抱きしめるだけでいい

国道の路肩に座り           僕は生きている実感を肌で感じています

太陽よ貴方の光をわけてください  神様よ いるのならば 見ていてください

やまびこのように心に響く      微かな 声を探しています


ほんの少しだけの人生なのだから  僕が死ぬまで 君を忘れたくないのです


                       詩:隙間

隙間です

1秒前のことが わからず

怖いんだ

だれもが この人生にもがき 苦しんでいる

助けるのではない

僕は 君と 少しでも 

感じていたいのです

隙間より

true

                虹愛

君の目の優しさがとても悲しくて 無言のままで僕をずっと見ていたね

ホコリかぶった時計の針の音だけが聞こえるだけの薄暗い部屋だった

考えると ベットの上の君はいつも いつも 恥ずかしそうにしていたね

交じり合い 君の脈を体中に感じて 一夜だったけど 心底から愛したね

君の吐息が僕の耳元でささやいて 君の横顔が僕には愛おしくて

君の体のぬくもりが身に沁みて なおさら 僕は君に愛情をあげたね

だけど もう 僕の前には君はいない  君の前にも僕はいないから

だから 元気を出そうよ ずっと 君を想っているから






君の香水の匂いがずっと忘れられなくて 交差点でフッと後ろを振り返るよ

部屋には取り残された十字架が置いてあり 蛍光灯の輝きでいつも泣いていた

考えると 鏡に映る君はずっと ずっと寂しそうに笑っていたね

唇を触れ合い 君の目を見ながらカーテンの隙間から光が射すまで愛し続けたね

君の濡れた髪の毛が揺れ 君の手のひらが僕には愛おしくて

君の透明な背中が身に沁みて なおさら 僕は君に笑顔をあげたね

だけど もう 僕の前には君はいない 君の前にも僕はいないから

だから 勇気を出そうよ これが二人の人生だから



詩:隙間