12.21午前中施設訪問
父とのやり取り
父は時計を持って来いという
部屋には立派な置き時計があるし
腕時計はこないだ充電して
持って行ったばかりで
腕にはしっかり付いている。
でも不満らしく
それじゃダメで
『風の時計』を持って来いという。
風の時計とはなんぞや?
しばらく耳を傾けることにする。
どうやら私を呼ぶための時計らしい。
父はウルトラセブンは知らないはずだが
ビデオーシーバーが欲しいのかw
いや、スマホのことなのか?
これは流石に仕方がないので
「困ったことがあったら
施設の人に相談してね
すぐ対応してくれるよ」
更に
「1日おきにこうして来ているから
その時に何でも相談してよ
例えばいま困ったことがあるなら
すぐに言ってね」
すると深い溜息をついて
『そうじゃないんだ』
『それじゃ間に合わないんだ』
『何を言ってもバカにして
通じないからもういいよ』
まぁこんな調子だから
聞いている方もツライ。
10月21日入院中の
病院に見舞いに行ったとき
「一切の介護と縁が切りたい」と
真顔で言われて困ってしまった。
これがホンネで今も続いているんだろう。
病院は勿論 施設でも
干渉される暮らしが窮屈で
要するに自宅で私と一緒に暮らしたい
これは上野某だけの特殊な感情じゃない。
それを直接口に出すのを我慢して
『風の時計』を持って来いとなるんだろう。
でも今の状態じゃ
申し訳ないが適わぬ相談だ。
今は子ども返りしてしまって
私を頼りにしてるってことなんだよね
立場がひっくり返った。
身から出たさび
自分も子どもの時
父母に同じ思いをさせてきたんだな
私はまぁ特殊な子どもだった。
すっかり病んでしまい
子どもとしては珍しい症例で
学会に報告ってレベルだったんだな。
父は見かねて色々するんだが
私にとっては恐怖も多かった。
「今度震えたら縛り付けるぞ」
紐だの柱だのその他諸々
って調子だったからね。
こっちは親を悲しませないため
一所懸命でもど~にもならなかったのにね
最初は正直に説明したよ。
しかし父には理解出来ない
「そんなはずはない」
元々父はヨッパライが正体を失って
一切記憶がないとか
そういうのは「ウソ」と断じる人だった。
だから『こりゃ言っても通じない』
諦めたんだよね。
でもこれって結局は
同じなんじゃないかとね。
今の父も「言っても仕方ない」
昔の私も「言っても仕方ない」
それぞれの精神世界に於いては
まともな判断なのだろう
しかし相手をツライ気持ちに
させてしまう一点においては
まったく同じことなんだよな。
身から出たさび。
私は昔の自分のことがあるから
相手のことを否定せずに
聞くようには努めている。
でもそれに一体何の意味があるんだ
どう対応したところで
相手にとっては結局一緒なのか
ムナシイよね。
因果応報ってスピリチュアルだと
やたら脅迫めいた使い方するけれど
アレは良くないよね
己の欲せざる所人に施すことなかれ
生きるための知恵程度に止めるべきだよ
似て非なるもの
「身から出た錆」は自身が起こした悪い行いのために、自らが苦しみや災いを受けること。
「因果応報」はかつての行いが良ければ良い結果が、悪ければ悪い結果を現在に受けること。
因縁とか大袈裟に捉えるべきではないが
身から出た錆は確実にある。
しかし因果応報ってないのかも知れない。
後半部分は身から出た錆と一緒。
されど励みとしたい前半部分
「行いが良ければ良い結果が」は
ないものなのかも知れない。
報われないと思って励まなければならぬ。
情けは人のためならずも同じ、奉仕。
