大風呂敷を広げれば
アニメ天才バカボンに見る
日本人差別意識・ポリコレについて
『バカとハサミは使いよう』
昔からある有名なフレーズ
解釈によっては
上から目線のイヤ~な言葉だが
本質は『バカ』も個性で認めよう
与太郎も包括しましょうよ
バリアフリー
ってことではないか。
71年放映開始の
初代アニメ天才バカボンは
他と区別するために『無印』
と呼ばれることが多いみたいです。
その無印・天才バカボンに
上記のようなエピソードがあった。
カネのなる木は いかがかね
バカボンのパパが
「いわゆる与太郎」として
描かれていた初期のエピソード。
倒産まぎわの映画会社が
起死回生を狙って
「バカとお金は使いよう」
という古いことわざをテーマに
「バカな人にお金を持たせたら
どんな使い方をするのか」を
隠しカメラで追った
ドキュメンタリーを作成しようとする。
そこで日本中で一番バカな人として
バカボンのパパに白羽の矢を立てる。
それにしてもこの映画会社
社長を含めたった4人
人のこと言えるんか
ってメンツだらけであるw
早速スタッフは行動開始
ン千万の大金が入ったバッグを
夜中にコッソリ
バカボン家の前に置きざりにする。
倒産寸前なのに 一体どこにそんな大金が
ってツッコミはヤボwww
夜が明けてそれを拾ったパパは
『レバニラ炒めが27杯食べられて
三波春夫ショーが毎日見られて
おまけに怪獣のプラモデルが買えて
おつりが3000と100万円来るのだ』
と大はしゃぎ。
パパ流のン千万の表現は微笑ましい。
だがママに早速咎められて
バカボンと一緒に交番に
届けに行くこととなる。
あの親子だからスンナリ行くはずもなく
途中で出会う個性的な人物を相手に
お金を使いまくってしまう。
『柳の下にヒゲがいる だから下柳』
柳の下にいた 古事記
大金持ちとお恵み合戦
『ワシの方が金持ちなのだ』
正体は向かいの家であった
5,000円の空き巣犯を
張り込んでいた刑事さん
交番にたどり着いた頃には
お金がスッカリ減っていた。
途方に暮れた二人は
枯れ木にお金をくっつけて
『金のなる木はいかがカネ』
タネ1コ10万円と
売りに出した。
タイトルはこれが元になっている。
そのうちお金が風で吹き飛ばされて
慌てて追いかける二人。
結局お金を回収できずに
目ん玉つながりのホンカンさんのところへ。
『ワシを逮捕して死刑にするのだ』
「何をしたの?」
『2000万円ほど使ったのだ』
信じないホンカンさん
元祖だとピストル乱射だろうが
無印は「家帰ってクソして寝ろ」
そこへ映画会社の連中が
ドッキリカメラよろしく現れる。
嘲り笑いながら
「すべてこれでいいので~す」
「バカとお金は使いよう をテーマに
映画を撮っていたので~すっ!」
声は仮面ライダーの怪人でもおなじみ
八代駿と峰恵研である。
サングラスの男が八代駿
旧ドラではスネ夫の声を当てており
スノッブなキャラや小ずるいキャラは天下一品
すかさずバカボンのパパが
『それは違うのだ
バカとハサミは使いよう
と言うのだ』
社長はムンクの叫びのような顔で
「そうだった、
ハサミを落としとくべきだった」
オチはママの前で1万円札を
複数枚豪快に真っ二つ
バカとハサミは使いよう
これでいいのだ ||:3ミつ
これが放映9回目
17本目のエピソード。
そのうちバカボンのパパは
植木職人として働き出すし
バカボンは学校へ通い出す
無印、放映は全40回
エピソードは79本。
学校は18回目、35本目から
植木屋は21回目
41本目からのようだ。
これは当時ウルサかったPTAから
抗議が来たのだろう。
「いつも遊んでばかりはオカシイ
子どもの教育上宜しくない」ってね。
前作巨人の星は
今ならパワハラ、虐待と
クレームが付きそうであるが
当時は『教育的』と
好感を持たれていたはずで
そのギャップもあったのかもな。
なぜ無印のこのエピを取り上げたのか。
パパを植木屋さんにしたのは
苦肉の策だったのだろうが
この「カネのなる木はいかがかね」が
頭にあってのことじゃないか。
勝手な解釈を進めると
「バカとハサミは使いよう」
制作サイドのシャレ
精一杯の抵抗
バカボンのパパの生年月日が
植木等と同じだったからって説もありそうだけど
植木屋になってからも
怪獣のお面を被って
勝手に怪獣のように剪定するなど
バカとハサミは使いよう
自由人っぷりは健在なのだが……
それでも
赤塚先生はムリヤリ
職に就かせたり学校に行かせたり
いたくご立腹だったそうだ。
バカボンは言うまでもなくバガボンド
放浪者から来ていて
日常ではなく非日常
徹底したナンセンスを
描きたかったのだから。
無印終了3年3ヶ月後に満を持して
再開したバカボンが
元祖天才バカボンだったのは
これを反映してのことだ。
無印のような改変ではなく
コミックに徹底して忠実なアニメ。
だから『元祖』
しかし当時のお子様
少なくとも私の周りでは
放映当初の元祖は
評判が芳しくなかった。
当時のお子様には無印における
路線変更後の「学校エピ」は
身近な出来事であり
却って親しみがわき共感を得られていて
むしろ好評だったのだ
まったくその要素の出て来ない
元祖に拍子抜けしたのである
(私の周りではね)
4ヶ月半後、18回以降に登場する
原作コミックには存在しない
アニメオリジナルキャラの面々
ドラえもんではジャイアンに当たる
ナカムラくん(CV:肝付兼太)
スネ夫に当たる
タケナカくん(CV:小宮山清)
しずちゃんにあたる
サクラちゃん(CV:沢田和子)
ボンダ先生(CV:北村弘一)も
愛嬌があって良い教師でしたね。
最終回バカボン一家がサヨウナラ
ハジメちゃんのため
渡米することになったバカボン一家
(当時から天才児教育と言えば
日本じゃなくアメリカ
これって正しいんだよね)
サクラちゃんへのプレゼントで
不器用なバカボンがギターを作り出す
当然鳴るはずもないのだが
ハジメちゃんの調律で
立派なギターに。
見送りの波止場でプレゼント
早速つま弾くサクラちゃん
原作にないエピなんだけど
こういうのは当時の子どもには
受けたんですよね。
適度に夢があった上
ジーンときた。
今話題の人物、私と同世代の
松っちゃんも最終回で泣いた
と仰ってましたよね。
元祖では原作に忠実だから
学校要素はほぼハイジョだった。
パパは当然無職。
元祖では
肝付兼太さんはホンカンさんに
北村弘一さんは
とぼけたひょうひょうとした声で
ほぼ毎回様々な脇役を演じておられましたね。
無印は途中より
原作から逸脱している
それに至る圧力こそが
内的差別心を具現化したものである
って書きたいのに
絶賛するかのような記事になってますね^^;
大人になってから見ると
確かに路線変更以降の無印には
郷愁を感じてしまうので
それはそれでオモシロイ。
思わず画像を載せてしまうくらい
愛着を感じているわけだがw
やはり元祖の方が圧倒的に良い。
バカも個性として
決して認めようとしない社会
直しましょうと型にはめる社会
当ブログ風表現だと
『不自由』を『障害』に
変えてしまう社会
無印の路線変更は
ホンコレなんですよね。
バカボンのパパにまで
生産性を求めた
今は当時のPTAタイプの
抗議は減っているから
コミックに忠実に放映できるかな。
しかし一方で制約も多くなったよね。
言葉狩りの類い、消音も多い。
却って陰湿になった感じもする。
キチンとした身なりで
言葉つきは極めて丁寧に
「マスク出来ないなら
外に行ってください」よりも
「おまえ、かたわか
なら仕方ねぇ、中にいろ」
こっちの方が余程暖かみが
あるってもんだ。
加えてしたり顔で
「生産性」の連呼
与太郎ハイジョは
無印放映の53年前より
ヒドくなっていると思うな。