★私は団地暮らしが長い。

 

しかし近所付き合いがあったのって

産まれてから最初の15年だけ。

あの頃は同じ階の住民は顔見知りだった。

田舎から贈られてきたとか

ちょっとおかずを作ったとか

おすそわけも頻繁にあった。

 

今は付き合いも殆どなく

おすそわけがまったくない。

 

で、困ったこと。

この年になって経済に余裕が出来たので

両親に還元できるようになった。

良い食べ物、良いお酒……

 

特に母には実利も兼ねていた。

もともと贅沢な人ではなかったのだが

認知症になって好き嫌いが激しくなった。

例えばスーパーで安い豚肉を買って

調理をしても残してしまう。

 

ところが高級な松阪牛のしゃぶしゃぶとか

うなぎとか、お寿司とかは

人の物まで食べてしまうくらい

食欲旺盛だったのだ。

だから冷凍庫には高級牛とか

うなぎとかが沢山眠っている。

お米も同様で、安いのは残すが

高級米だとペロっと食べてくれる。

 

ところが、去年の9月を最後に

母がいなくなった。

父も急速に体調が悪化し

お酒を与えるのが問題になってきた。

父の場合、本人は欲しがるのだが

与えたら看過出来ぬ状態になったので

申し訳ないがこちらから規制した。

 

でね、これらの処理問題。

私はお酒は飲まない。

高級食材も一人で食べたところで

ちっとも面白くない。

「一緒に食事していただけませんか?」

とは言いづらいのでw

出来れば家族団らんのある方に譲りたい。

 

しかしこれがままならないのである。

遠慮なのか、持ちかけても

『お気持ちだけ』となってしまう。

顔の広いケアマネさんに相談しても

色よい返事が得られない。

 

既に期限付き金券は30万円ほど失効した。

ヤフオクで売る人もいるが

本来はマナー違反で、それなら失効した方が

マシという考えである。

出来れば近所の人に無償譲渡をしたい。

特に行動範囲の広い大学生や

高校生のいるご家庭には

食券は有用だと思って

親御さんに尋ねているのだが

スムーズに行かないのだ。

 

金券は最終的には捨てれば良い。

しかし食べ物はそうはいかない。

月一で区役所で引き取る場合もあるが

車を運転しないので持っていくのが大変。

お酒は引き取るところがない。

強調すると気を遣われるので

絶対に口にしないのだが

珍しい結構お高いお酒も多い。

 

両親に喜んでもらいたかったのが

今や粗大ゴミ同然

家の中を圧迫している。

こないだ丁重に頭を下げて

一部を引き取ってもらった。

 

別に善意を押しつけたいわけではないが

喜んでもらえるのではなく

メイワクを押しつけている感覚。

近所付き合いが希薄な世の中

色々ムズカシイね。

 

今はご近所より

メルカリ、ヤフオクの時代

私はお金はいらない

どこか善意でつながっていたいだけ

 

今まで頑張ってきたのが

一体何のためだったのか

笑顔のない生活ってやっぱりムナシイ。

 

★去年までは配慮さえすれば

食欲旺盛だった母も

今じゃ食べさせるのがやっと

良く考えれば身内の支えが

あってこそだったんだよね。

 

普通にしていれば食が細るのは明らかだった。

まさか施設で松阪牛だ、うなぎだと

頼むわけにはいかない。

私が食事に関与していても

やはり同じようになったのだろうか

私がまったく介入できなくなったのが……

去年の9月に違う選択が出来ていれば……

どうしても考えてしまうね。

その選択肢を狭めていたのが

カンセンタイサクによる規制。

 

教育についてイシン批判をしたけれど

これも同根なんだよね。

彼らの唱える『改革』っていうのは

常に二進、二択。

ゼロか一かを求めて

彼らの価値観で一方を排除したいだけ。

三角関数より金融工学とか

オヴァカなポピュリズム

ダイバーシティなんて横文字を使ったって

多様な選択肢を奪っているだけ。

 

綺麗なだけで中身のない言葉で糊塗しつつ

社会全体がファシズムに陥っているよね。

カンセンタイサクがその典型

 

カンセンタイサクによる

過度な警戒感によって

すっかりギスギスしちゃって

おすそわけもままならぬ社会が

加速した感じがするね。