低確率のもたらす

誤謬について

 

この2年間のバカ騒ぎは

全てこれに集約されるのです。

何故詐欺に逢う人が後を絶たないのか

あるいは諍いが どうして絶えないのか

考え直すキッカケになれば、と思います。

 

せっかくのご縁ですから

今一度お付き合いください。

 

2021年6月記

 

その壱

奇しくもコロナパニック直前

2020年1月に書いた記事です。

 

『国民の罹患率が0.1%の難病がある。

この病気について精度99%の

検査法が開発された。

早速 Aさんは検査を受けたところ

陽性反応が出てしまい、

「俺は99%の確率で○○(難病名)

なのかえーん

絶望的な気持ちになった。

Aさんのこの判断は正しいか。』

 

結論から言うと、Aさんは錯覚させられています。

この場合のAさんが難病にかかっている確率は

99%ではなく、9%に過ぎません。

 

 計算式を使わずに、出来るだけ分かりやすく

この矛盾を解いてみようと思います。

 

 医学の知識がない全くの素人が、

ランダムに1000人を集め、すべての人に

「あなたは、陰性でした。ご安心ください!」と

デタラメの診断を下したとします。

 

この場合の精度は何%でしょうか?

罹患率0.1%ですから確率的には

1000人のうち陽性は1人です。

つまり陽性の1人に陰性の

誤診を下したわけですから、

精度は99.9%で、検査法の精度99%よりは

高くなるのです。

 

 上記の例で9%まで確率が下がるのも、

検査法で実際の罹患者を正確に陽性と 

診断 できる数に対し、

非罹患者を陽性と 誤診 してしまうケースが

約10倍あるって事です。

 

、○診断の確率<<<●誤診の確率 

 ○               陽性1

 ●●●●●●●●●● 擬陽性10

 

 11(10+1)分の1が9%です。

 つまり病気の罹患率によって、

精度の評価は大きく変わるのです。

 罹患率10%でしたら、精度99%は立派ですが

罹患率0.1%の場合は信頼がおけません。

 

 精度99%という数字自体ウソはないのですが、

世の中は「強迫観念」を利用した

この種の詐欺で溢れていますね。

 ここまでは去年書いた記事。

 

 この考え方はPCR検査にも

そのまま当てはまるわけですが

感度や特異度について冷静に

(ネットはともかく)公の場で議論されている

気配はありませんでした。

 ただひたすら検査せよ

徹底隔離せよと喚くだけ。

あれはコロナ対策ではなく

単なる反政府運動に過ぎません。

 

その弐

 さて、ファイザー社のワクチンについてです。

有効率95%と盛んに言われています。

これは100人中95人に効くという意味ではありません。

 

 約36,000人の被験者をワクチン群とプラセボ群

18,000人ずつに分けて検査をしました。結果

ワクチン群には8人の発症者、

プラセボ群には169人の発症者が出ました。

169-8=161人を発症から救った訳ですから

161/169=0.952…… 95%の有効率です。

確かに発症を20分の1に減らすのだから

素晴らしいと言えそうです。

 

 一方でそもそもの発症確率がプラセボ群で

169/18000=0.00938……0.9%

発症確率は100分の1未満。

ワクチンを打つと

8/18000=0.0004……0.04%

0.9-0.04=0.86  

個々に目を転じた場合

0.86%確率を下げるに過ぎません。

 集団免疫の観点で意味を見いださねば

99%の人に無意味と言うことも出来ます。

 これで、未知のワクチンをリスクを冒し

積極的に打つ必要があるのか?

疑問を持つ人がいて当然です。 

 

 冒頭の話じゃありませんが

抑もの発症率が低いものには

このような考えも成り立つのです。

決してデマでも間違いでもない

合理的な考え方の一つです。

 

 長期的リスクと慎重に天秤にかけるだけで

すべてデマと切り捨てる姿勢には抵抗を

覚えるのも自然だと思います。

 

 勿論リスクを誇張したデマは禁忌ですが

集団免疫の上で肝要な感染予防効果に関し

曖昧にするのも同様にタブーなわけです。

 

 更に言えば、有効率95%のデータは

日本人の結果ではなく

発症確率の高い外国人の数字ですから

日本人においては

もっと率が下がる可能性もあります。

 

その参

 もうひとつ、算術的に紐解いてみます。

抑もワクチンは何のため打つのでしょうか。

個人の重症化や死亡リスクを減らすためです。

この視点からの考察です。

 

日本とアメリカのデータ。

死亡者数を比較します。

USA  60.8万/3.282億

JPN    1.5万/1.263億

分かりやすく10万人当たりにすると(端数切り上げ

USA  186/10万

JPN   12/ 10万

となります。

 

 仮に米国人を日本人の環境に変える

ワウチンがあったとします。

 これをワクチン有効度の計算法に当てはめると

186人の死亡者数を12人に減らすわけですから

(186-12)/186=0.935……

断っておきますが人種差別ではありません。

客観的データに基づき、

分かりやすく、と言う意図です。

 

 すでに日本人であることは、アメリカ人が

有効度93.5%のワクチンを打ったのと

同じ状態であると言うことです。

 ですからアメリカ人が有効度95%の

ワクチン接種を急いだのは、日本の状況に

近づくことを期待した行為、理解できるのです。

 

 先日示したデータの通り、それでもまだ

米国は日本よりも状況が悪いわけですから

ワクチンの有効度95%にも

個人的には疑問符がつきますし

少なくとも日本は幸いながらコロナウイルスには

強かったと言えると思います。

この状況で全ての人に対して

接種を急ぐ必要が果たしてあるのでしょうか。

 

 権威である宮坂教授は

直近のイスラエルのデータから

『ワクチンを打たない手はない』

と二重否定を使ってまで

接種を勧奨なさいました。

しかし私は拙速に感じているのです。

たかがスライムごときが

向こうを張って心苦しいですが

『この日本の優位な状況を

活かさない手はない』

『待たない手はない』

 

グローバルスタンダードもよいですが、

様子見をした方が好結果をもたらすのでは

ないでしょうか?

 

其の四

 

 2020年大晦日の記事。

「感染させる人の約半数は無症状」

と若者を戒める内容です。

 これこそが、現況の

マスク全体主義の源

になっています。

 

 何故尾身会長は半数と断定できるのか。

 これの論拠となった論文がこちらです。

 

 

Download PDF から 全体が読めます。

 

1ページ目

We enrolled 100 confirmed patients, with a median age of 44 years (range, 11-88years), including 44 men and 56 women. Among their 2761 close contacts, there were 22paired index-secondary cases. The overall secondary clinical attack rate was 0.7% (95% CI,0.4%-1.0%).

 

男性44人、女性56人のPCR陽性者100名の

濃厚接触者2761人を調査したところ

二次感染者は22名、0.7%であった。

 

4ページ目グラフ

 

横軸は発症日数

22名のうち11名(四角で囲った部分)が

発症前の濃厚接触者となり

つまり尾身会長の指摘なさるところの

無症状者の半数が感染させた

の論拠となっています。

11÷22=0.5 半数 です。

 

しかしこれは、こう言い換えることも出来ます。

2761人中11名が無症状者から感染させられた

つまり感染率は0.398%で

99%以上の人は何ともないのです。

 

更にこのグラフを厳密に見れば

発症前にのみ接したのは、四角で囲った部分

一番上と一番下の人のみ、

つまり2人だけです。

従って確率は2/2761なので0.072%と

言うことだって出来ます。

 

無症状者が半数感染させる

(え!そりゃ大変だ~)

されど99%以上の人は何ともない

(な~んだ、大したことないじゃん)

 

 どちらも間違えたことは言っていません。

 ()内はそれぞれの立場における感想に過ぎないのですが、多くの場合そこだけ見て右往左往してませんか?

 

冒頭の像の話じゃありませんが

触れる角度によって言うことが異なります。

同じデータ(論文)でも180度逆の

結論を導き出すことが出来るのです。

 

つまり、これは哲学の問題になります。

ゼロコロナ派 からすれば、

とにかくパンデミックを恐れ

僅かの確率を封じることが最重要でしょうし、

ウィズコロナ派 からすれば、

1%未満の低確率ですし

すべてマスクで防げる根拠もありません。

更にこれが重症化、死亡に

繋がる確率となると さらにサラに下がるので

ほぼ無視できるのではないか?

次々とキリがないシラミつぶしに腐心した結果

起きるであろうしわ寄せを

寧ろ危惧するべきと考えているのです。

 

日本においては

抑も確率が低い感染対策に

全神経を集中するよりも

医療配分に同じエネルギーを

向けるべきではないのか。

感染そのものを防ぐよりも

やはり感染した後の医療

日本はその余裕も高水準の技術も

備えているのに、それがスムーズに

進まずパンクすると騒いでいます。

これは一体何故なのだろうか

当ブログでずっと主張していることです。

 

 ところで、尾身座長が無症状者にまで

マスクを強要させる根拠

周知の事実なのでしょうか?

私にはとてもそうは思えないのです。

具体的な解釈、証拠が示された事が

果たしてあったでしょうか?

現況はゼロコロナ派の声が大きいだけで、

一方的な見方に偏っていませんか?

 

編集後記・2022年4月現在

 

 

未だに大本営はこんな報道をしています。

多くの国民が見出しだけで惑わされています。

これのどこに問題があるかは

拙いながらも説明申し上げてきた通り、

当駄記事を読んでくだされば

お分かりいただけると思います。

 

勿論これが成り立つ場合もあります。

確率と被害の度合いを冷静に

見極める必要があります。

発症率が著しく高いか

エボラのように致死率が非常に高く

罹患したら最後、多数の死者で

あふれかねない事態なら仕方ありません。

しかし、COVID-19はそのどちらでもないことは

何度も指摘してきたとおりです。

むしろ対策の弊害を真剣に考慮すべきです。

 

もうちょっと冷静に数字を読んで

実のある対策をしませんか?

誰かを目の敵にするのではなくって

全ての人がニッコリ出来るような対策を!

 

さすがに何度も同じ事でもうウンザリだ

よ、という方も多いと思いますが

なんどでも。恐怖を針小棒大に煽ってあ

らそいを起こしたがる連中にはダマされないよう