野球中継で耳にする

不思議な言葉えー? その弐

 

 野球用語には英語の直訳も多く、その一つに補殺というのがありますね。捕殺と誤記されることが多いけど補殺、assist out  の直訳です。
 例えばランナーが2塁にいてセンター前ヒット、センターの新庄剛志が矢のような送球で、2塁走者が本塁手前で憤死!
 

 この場合新庄が打球を処理した際ではなく、本塁(捕手)に向け送球して初めてアウトが成立したわけだから、アウトを アシスト した、つまり補殺なのです。新庄はダイレクトが多かったですが、内野手が中継した場合外野手と内野手双方に補殺がつきます。

 外野フライで3塁ランナーがタッチアップ、中継プレーで本塁アウトの場合、外野手には補殺と刺殺(put out)の両方、中継の内野手に補殺、捕手に刺殺がつきます。

 でもどことなく冴えない日本語ですよね、捕殺と誤解を招きやすいのも何となく分かります。

 

 
 さて、本題です。
   一方、英語の直訳ではなく、もっとスマートで格好の良い日本語になったものもあります。
防御率 です。
 英語だと Earned Run Average (ERA)
 直訳すれば自責点率 とでもなるかな。
 遙かに防御率の方がオシャレですよね 
 でも、この場合使用するときに気をつけた方が良いことがあると思うのです。
 例えば防御率2点台だったピッチャーが、大量失点をして3点台になったとします。この場合アナウンサーは何と言うでしょうか?
「防御率が高くなってしまいました」
「防御率が上がってしまいました」

となる実況が結構多いのです。最近はほぼ半数を上回っている感じです。
リリーフで防御率が1点台の投手が出てきた時はどうでしょう。
「この投手は防御率が低いですから打ち崩すのは難しいですね」
 
  これって直訳の自責点率、
ERAならば、しっくりきます。
 しかし防御率だとどうでしょうか?
 防御する確率ですから、
本当は高い方が良いのです。
 40年位前の野球中継だと、防御率が高いはgood、低いはbad で統一されていたはずですが、いつの間にか従来の意味で使う人と、全く逆の意味で用いる人が混在している状態なのですから、非常に厄介です。
 
 ここで放送局の方々に提案です。
 現状を放置するくらいなら、「高い、低い」「上がる、下がる」ではなく、いっそのこと
 防御率が「良い」「悪い」で統一したらいかがでしょうか。
 この方がよっぽどマシ、
スンナリ解決のハズです えー?
 

無人島に持っていくなら何?

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 プロ野球の記録本かな。とにかく見ていて飽きないのです。
 脱出の日はナポレオンが由来なんですね。
 日本でスッカリ有名になった格言ですが
 『余の辞書に不可能という文字はない』
 ナポレオンの元の言葉とは若干ニュアンス
が違っているそうですが、こちらは
 
 さて、この格言をまさに体現した
大投手村山実さん。
 指が短かった彼は、フォークボールを挟みやすくするために、自ら人差し指と中指の間を切って広げたとか。血行障害や肩痛に悩まされつつも、試合前に「いちごジュース」と彼が名付けた、真っ赤でどぎついお薬を打ちながら、ジャイアンツやライバルの長嶋茂雄さんの前に立ちはだかったのです。
 
 1970年防御率0.98  2リーグ分裂後唯一の1点未満
最も 高い 防御率を記録した村山実投手
 規定投球回に達し1点未満は、今後破られないであろうアンタッチャブルな記録の1つです。
 
     
   防御率が高い と書きあらわせば、村山実さんが相手に仁王立ちする姿まで、思い浮かんできませんか?
 自責点率と、シンプルな英語と違い、投手の視線で立場をひっくり返すことで表現を試みた、日本語の防御率。
もっと大事にして欲しいなぁ……
 
 長文に最後までお付き合いいただきありがとうございましたニコニコ