作られた記録は野球への冒涜ではないのか?

 

  何かさぁ、41年も前のランニングホームランの例えをして喜んでるピントのずれた年寄りがいるけど 「作られた記録」に反発する人の気持ちも分かって欲しいんだよね。


  9年前の記録騒ぎ、それも一瞬ではなく毎日続く、剰えカル・リプケンJr.にまでコメントを取りに行ったりする厚顔無恥さとかさぁ……


  記録が本当に大好きなファンっているんだよね。
  暗黒時代観戦した試合で40連敗(94~01年までの神宮球場にて)なんかしちゃってさぁ、そんなチームのファンは一体何を楽しみに観戦したらいいんだい?
  プロ野球には刹那の勝敗を喜ぶ、それだけではない大きな魅力があるはずだよね。
  当時で言えば新庄の一挙手一投足を眺めることがそれだったし、いくら負け続けても球場に足を運び続けることができた動機の一つに記録好きってこともあったわけ。

 

  例えばプロ野球史上最弱打者と言っても良い猪俣隆、プロ入団以来79打席ノーヒットという記録保持者でもある。その彼が93年横浜のデーゲーム、2死満塁という場面で打席に入った。相手は2年目で売り出し中の本格派斎藤隆、とても歯が立つ相手ではなく、冷静なファンは何の期待をすることもなく漠然と眺めていた。ところが、『何気なく出したバットが偶々バットと衝突し(猪俣談)』、フラフラ~と力なく上がったその打球は、サード、レフト、ショート、誰もが追いつかないトライアングルゾーンに偶々落ち走者一掃、照れ笑いを浮かべながら2塁ベース上に立つ猪俣と、呆然と3塁後方を眺める斎藤投手、単なる偶然でもまるで昨日の出来事のように思い出せるのも野球ファンの醍醐味なんだ。余談だが80打席目の初ヒットも、スワローズ・ロックフォードの速球に思わずのけぞり、偶々バットに当たって1,2塁間を弱々しく抜けたものであったw

  

  対してあの記録はどうだったろう。アレは偶々を否定しプロ野球史上唯一 可能性ゼロ のプレーを見せ続けた選手。多くは語るまい、左二キ、ランナー2塁でホーム、タッチアップも同様、投げないのだから確率は永遠のゼロ。繰り返すが、あのほぼ可能性ゼロの猪俣でさえバットを出すから偶々があり、それがファンの脳裏に深く刻まれ、何十年も酒の肴に出来る、それもプロ野球の楽しみ方の1つなんだ。

  そんなわけで個人用に書き留めてあったデータ30数年分を、あのインチキ記録が続けられたとき殆ど捨てたんだよね。
  だって「日本野球の記録で一喜一憂するなんてバカだよ~ん」って、そういうふざけたノリで一瞬どころか毎日嘲笑われているのに等しいんだから、ガマンの限界に達したんだよね。
  そのせいで今ブログが書きにくくなっちゃって、往生しているんだけど、早まったなぁとは思っていないよ。
  
 翌2011年記録はストップしたものの、投げられない状態でやっぱり守備に就いていた。この年鳥谷は遊撃手守備率新記録を更新する可能性があり、私はそれを興味深く見守っていた。9/9、107試合を終えた時点で失策3、残り試合ノーエラーならば2006年井端弘和選手の.994(失策数4)を1厘更新できた。(鳥越裕介選手は97年109試合で.997を記録しているが規定打席不足、守備機会も少ない)

 井端選手は全試合出場で記録の価値も非常に高く、この時点で8試合鳥谷は守備に就いていなかった。が、半分が土のグラウンドであることを考慮すれば価値はやはり高く、純粋に評価できる新記録として楽しみにしていた。

 ところが4つめのエラーは残念な形で記録された。2010年から3年間鳥谷は、本来 レフトがひとりで処理すべき打球のいくつかのカバーに回らねばならなかった。この時も同じでレフトフライを深追いし落球してしまったのだ。下記写真をご覧いただけば、理不尽さは一目瞭然だろう。分かりやすい記録じゃなくって、ジックリと味わい深く楽しめる記録もあるのだが、それに対する配慮は全くなかった。

  並外れた体力の鳥谷が、予期せぬ形で急失速を見せたのは、あの3年間の運動量が多すぎたことに起因していると思っている。

  

    

 

  マスターの感想

可能性ゼロを肯定できた人って、

きっとこういう思考なんだろうね。

a=bとするならば

a^2=ab

a^2-b^2=ab-b^2

(a+b)(a-b)=b(a-b)

よって a+b=b

a=bであるから

b+b=b

2b=b

したがって2と1は等しい数である。 

 

この理論の矛盾分かりますか?

 

友人の反論は次記事へと続く。