中日3戦目、ただひたすら悲しい。藤浪晋太郎。
右打者もラインアップに入れた中日さんには感謝しかない!
でもそれを見事に裏切ってしまった。
8四死球も与えながら1点、やはり投手としてのセンスは疑いないなどと軽口をたたける状況では最早ない。
矢野監督も次も期待しているとは
安易に口に出来ないだろう。
藤浪晋太郎は今やノーコンだけが取り沙汰される投手だが身体の頑丈さには特筆すべきものがある。
幼い頃から牛乳を飲み続け大きな身体をつくり中学時代には身体のバランスを整えるため熱心に水泳に取り組んだ、そういう努力の積み重ねの結果かも知れない。
二刀流で特殊とは言え大谷翔平だって投手としてはリハビリ中、彼があの起用法で大きな故障をしなかった事は感嘆すべき事なのである。
簡単に書いておこう、16年時点での藤浪の不安定さは「疲労」である可能性が高かった。
メジャーで用いられる故障の危険度指数PAPは両リーグダントツの数値に達し、大きく引き離され2位だった則本は今年故障した。
本来は球数には充分気を遣いながら起用すべきなのに、「根性が足りないからだ!」と決めつけるような真逆の方針を取るような監督と出会った悲劇である。
もう一つ加えておこう。藤浪は向上心の高い投手だ。
16年のデータでもそれが見て取れる。前年に比べゴロ率が10ポイント程大幅に上がり、セリーグナンバーワンの投手になっていたのだ。
フォアボール率は若干課題が残るものの相変わらず高い奪三振率に加え、高いゴロ率が加わった。
いわば無敵の投手に変貌しつつあった。
つまり目先の課題であるフォアボールを出しても内野の守備さえ固めれば併殺で切り抜けられる場面も多かったのだ。ところで、16年中盤まで二遊間は誰だったろうか?
守備範囲に衰えが極端に目立つベテラン、文句の言えない2人だった。
余談だが15年オフ中居正広の番組、オールジャパンを選ぶ企画、藤浪は真っ先に菊池涼介を選んだ、飢えていると痛感させられた。
他に様々な問題があったのにもかかわらず、それは一切無視、藤浪の内面のみを攻め続けた根性論者にも問題があったのだ。
疲労を取りながらの起用を最優先していれば、秋山拓巳や西勇輝のような抜群のコントロールは誇らないまでも、問題のない与四球率のエースにはなっていただろう。
江夏豊さんのキャッチボールのエピソードを聞く限り、
(※臨時コーチの江夏さんが、短期で技術的なアドバイスは失礼と判断し、OBの大投手村山さんを引き合いにキャッチボールの重要性を説いたという。一番聞く耳を持たなかったのが藤浪投手だったらしい)
藤浪投手も、もう少し柔軟性があっても良かったかも知れない。
そして前監督、彼も頑固な人だ。
2人の出会いは、不幸な化学変化を起こしたのだろう。
投手の肩消耗論を米の周回遅れで、結局採用する日本球界と
(15年後にはPAPもメジャーな指標になっているに違いない)
ダルビッシュを始め日本式走り込みを頑なに否定するプレーヤー、これは宗教論争的なところもあり、余計にこじれたのだと思う。
さて過ぎたことばかり、異論もいっぱい出るような分析をして嘆いても仕方がない。ここで一つ提案します。
彼を米のマイナーリーグに野球留学させるのはどうだろうか。
二軍で好投、一軍で大荒れを、いつまでも繰り返していても仕方がない。
ベ-スボール発祥の地で、気分一新、発見も数多くあるだろう。
大型投手の多い彼の地、日本とは違う処方箋も見つかるかも知れない。
これまでと全く違う新しい刺激こそがニュー藤浪晋太郎誕生のキッカケになるような気がしてならない。