今回は印象に残った本の紹介です。
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1:パパラギ エーリッヒ・ショイルマン著
85年タイガースフィーバー、快進撃は勿論嬉しかったのですが、その一方であの喧噪ぶりには、どこか虚しさも覚えた、そんな頃に手にした一冊です。
南国の酋長、ツイアビによる説話集。
我々が当然のように享受している文明について、素朴な目で疑問を呈しているのですが、その1つ1つの表現がいちいち愉快です。
常識って言うがそれはいつからのものなのか?
ただ無批判に洗脳されているだけではないのか?
常識とされていることを疑う
その必要性を自然に感じることが出来ます。
近年ではイザヤベンダサン(いざや!便出さん)同様、ツイアビが実在の人物ではないとの指摘もあるようですが、それでもお堅くなりがちな批判を面白おかしく表現する文章技術を学ぶのに良いかも知れません。
2:モモ ミヒャエル・エンデ著
パパラギ同様ドイツの本で、テーマも似ていますが、こちらは結構有名な童話かと思います。童話と言っても大人が読んでも楽しめます、というより10代で1度、20代で1度、30代で、40代で、50代でと言った具合に10年ごとに読み返す度に新たな発見がある、一生付き合える本かも知れません。
とかくアクセクして前につんのめりがち、目先の利益のみを追求しがちな私ですが、一度立ち止まって己を俯瞰するキッカケになるような作品でした。
3:危機の現場に立つ 中満 泉著
陳腐な表現で恥ずかしいけど、読んでいて衝撃を受けました。
著者は日本人女性初の国連事務次長として、今は軍縮に取り組んでいる方ですが、これまで常に紛争地帯・修羅場に身を置かれていました。
平和を享受している我々日本人は気づきにくいのですが、とかく机上の空論になりがちな正義・平和と違い、複雑な価値観(正義)が入り交じり、絶対的な正解などない中、それでもより平和に近づけるための苦労、命がけの交渉技術、現実の厳しさが身にしみます。
こんなパワフルな女性が、今でも奮闘しているのを知ると、自分のちっぽけさも感じると同時に、勇気も湧いてきます。
4:牙 後藤正治著
タイガース関係の本は大分読んできたつもりですが、その中で圧倒的な面白さを感じた1冊です。
江夏豊投手を中心に昭和40年代の阪神(プロ野球)が描かれていますが、とにかく引き込まれます。
絶版になって手に入りづらく残念と思っていたんですが今は電子書籍版があるんですね^^
同じ著者の「スカウト」もおすすめです。
1ページちょっとですが、高校時代の能見投手も登場します^^
それでも格好良い彼の投球フォームが浮かんでくるのですから不思議です。