☆ おかしな野球用語 4勝利の方程式
 この言葉の発明者は長嶋茂雄監督である。
93年監督就任以降の橋本清、石毛博史の必勝リレーを指してこう呼ぶようになり、以降野球用語として定着した。


 しかしこの言葉はよく考えると変だろう。方程式とは未知数を含む式のことであるから、判で押したように同じ投手(決まったやり方)のみを使って勝利(解)を導き出せるなら、むしろ勝利の公式と呼ぶべきではないか?

 

 方程式という大げさな表現が長嶋さんぽく微笑ましいのであるが実質公式と言うべきもの、しかも時には盲信が災いする戦略が常識として定着して以降、野球はつまらなくなった気がする。

 方程式ならばゲーム展開によってXは藤川Yは久保田といったオーソドックスな解から、Xは江草Yは渡辺亮といったようにバリエーションに富んでいいはずである。時には解がない場合だってあるのだ。

 

 これは長嶋さんの大失態ではなかったか、第一次政権のように公式ではなく、命名通り方程式を解く、未知数を割り出す継投も もっと見せて欲しかった。

 ただでさえ批判力に乏しいマスコミが、現人神であらせられる長嶋茂雄さんから賜ったありがたきお言葉、これを無条件に連呼するところとなった。

 実態は方程式とはほど遠い公式幻想で、野球界を包む鬱陶しい空気の1つとなってしまったのは否めないと思う。

  

  さて、7/27タイガースの継投はどうだったろうか。
矢野監督が導き出したXYは高野・飯田、

これこそが難解な方程式を解いたと呼ぶにふさわしい。

 令和新時代、思考停止に陥りがちなワンパターンの公式をいたずらに当てはめるだけでなく

多様な方程式を積極的に解く 野球でも

我々ファンをうならせて欲しいものである。

 

    2005/9/7 久保田投手