※なんとなく内容について触れている部分があります。未見の方はご了承ください。
『スラムドッグ$ミリオネア』を見た。第81回アカデミー賞作品賞にノミネートされた作品としてぼくが見たのはは、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、『ミルク』についで3作目である。
作品の比較は、あまり意味のないことのようなもがするけれど、あくまでひとつの“尺度”ということで、無粋をお許しいただいて比較してみたい。
さて、奇しくもこの3作品に共通するのは、人の半生(あるいは一生)を描いているということ。ひとつの作品では年を経るごとに若返っていくという人の一生が、ひとつの作品では、ゲイの市民権を獲得するために奔走した人の半生が、そしてもうひとつの作品では、インドの貧民として生まれついた青年の半生が描かれる。そこに共通しているのは、(おそろしく単純化して語るとするならば)「人生はすばらしい!」というメッセージだろう。3作品とも見応えのあるすばらしい作品だ。もし『スラムドッグ$ミリオネア』にちょっとした違いがあるとすれば、それは半生(あるいは一生)を描くにあたって、“クイズ$ミリオネア”とシンクロする形で、印象的に描いている点だろう。そのスタイルが、『スラムドッグ$ミリオネア』にアカデミー賞を受賞させた一因となっているのかもしれない。
さらに『スラムドック$ミリオネア』を魅力的なものにしているのが、インドを舞台にしているということ。作中で、主人公ジャマールの兄、サリームに「インドは世界の中心だ」といった主旨のセリフがあったが、混沌の都市インドをしっかりと描いていたように思う。描写のスタイルとインドという舞台がマッチした、見応えのある作品でした。
(8.0)