●継続こそ力
というわけで、おもむろに『はじめの一歩』(マンガ)について書く。
ごぞんじのとおり『はじめの一歩』は、いじめられっ子がボクシングに出会って強くなっていく……という週刊少年マガジン連載のボクシングマンガだ。WiKiによると、マンガが始まったのが1989年らしいから、かれこれ20年も連載は続いていることになる。そして、『はじめの一歩』が何よりすごいと思えるのは、継続して描き続けていること。20年も描き続けていると、飽きてきたり、手を抜いたり……ということがあると思うのだが、森川ジョージの場合は、そういうところが一切見えない。丹念にとにかく丹念に、物語を進めている。まあ、「それがプロである」と言われればそれまでかもしれないが、それにしてもその姿勢には恐れ入る。おそらくは、『はじめの一歩』の世界を丹念に描いて、それを読者に見せて喜んでもらいたいと思っているのではないかと想像する。
もちろん、生き馬の目を抜くほど競争の激しい少年マンガ誌の場合、継続して描き続ける場合、“おもしろい”という前提がなければならないが、『はじめの一歩』はその点、ボクシングに対する愛に裏打ちされた、見事なストーリーテリングとキャラクターで読者を惹き付けているように思う。願わくば最後まで、きっちり描き終えてほしいと、いちファンとして熱望している。