決して手の届かない、しかし目の前の | ファニーポッターと賢者の意志

決して手の届かない、しかし目の前の

 

それはトラップにも絞首台にも見える

そしてとても甘く鋭い

 

 

 

 

 

 

 

参った

ここに来てこんな事になろうとは

あんなの見てしまったら決心が揺らぐ

…いや、決心と言う程のものはなかったが

こんな単純な脳にも腹が立つ

容易に抗いきってみせろ

いいかげん慣れたはずだ、充分に懲りているはずだ

絶望の匂いしかしないはずだ

そこには苦痛以外何もないはず

何の可能性もないはず

諦めるべきなのは明白

あんなふうにはなりたくない

それだけでも十分な理由になる

そうなったらどうなるか

それは理由以上、目を背けざるを得ないトドメになるはず

馬鹿な事を考えるべきではない

想像力はそんな事の為にあるのではない

 

 

 

 

少し嫌な予感がした

きっとそこには知らない方が良い事実がある

この世界には常に予想より少し多めに「知らない方が良い事」が用意されている

だからこそ知らない方が良いんだ

 

 

 

 

欲しがりたくない

求めたくない

勝ち負けの問題じゃない

必要以上を望みたくない

そんな惨めなのは御免だ

存在自体の惨めさで充分過ぎる

ただ平静で居られればそれで良い

自ら軽蔑と嘲笑の下を潜るなんてマヌケな真似はしたくない

 

 

 

 

さっさと元に戻らなければ

現実を直視すると眼が潰れる

 

 

 

 

 

落ち着かない

何も手につかない状態になりつつある

寝て起きたら落ち着いているだろうか

大抵、気づいたら雨は止んでいる

気づかない内に夜になるし朝になる

そうなるはず