浪人生へ この寄る辺ない身分を行く | 中学入試と医学部入試の道の駅

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小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

私は今よりもたくさん浪人生がいた頃、1994年度に浪人生をしていました。1995年のセンター試験の2日後は、阪神大震災の日でした。今日は、今年度の浪人生に向けて、浪人生の先輩からお話します。

 

 

浪人生活はどうだったでしょうか。しっかりと勉強できた人もいるし、そうではなかった人もいると思います。どちらにしても厳しい一年だったでしょう。

勉強の厳しさなんて浪人生のつらさの一部でしかなかった。今までに体験したことのない不安定な身分、そのために生じる様々な気持ちの方が断然つらかったのではないでしょうか。

 

夏までは環境の変化に順応していくことに大変だった。高校時代の同級生に取り残された時間が長く感じたかもしれません。

しかし、秋以降の時間はあっという間でしたよね。降り積もるプレッシャーと迫りくる期限。今日も限られた時間に焦りを感じていると思います。

 

この一年は何だったのでしょう。何のための一年なのでしょう。自分の不出来により生じた回り道であることには間違いありません。しかし、この一年に気付いたこともあったのではないですか。

高校時代には気付かなかったこと。何のためにこの道を行くのか、何のための人生なのか。

 

この一年、勉強ばかりの時間だったかもしれません。その勉強は合格のためのものですが、勉強を通じて何が見えてきましたか。人それぞれ、いろいろな景色が見えたのではないかと思います。人生に一つの悟りを得られた人も多いのではないですか。悟りとは大袈裟ですが、気付きを得た人はいると思います。

 

私達は不出来な人間です。現役で合格した人には、学力では及びません。それは今年どんなに勉強した人でも、現役合格は出来なかったのですから、もう変更できない事実です。

しかし、世の中で学力という要素が人生に与える影響はごく僅かなものです。私は”大学受験は結果がすべて”と言い続けていますが、学歴・学校歴すら人生には軽微な影響しか与えません。

世間では学歴偏重社会が叫ばれることもありますが、実は一部分正しく、一部分は間違っています。それは大学に行けば分かることでしょう。

 

もし、あなたがこの一年、勉強を通じて、自分の内側に対してあるいは自分の外側に対して、気が付くことができたのであれば、この一年は単なる遠回りではなかった。今後の素晴らしいステージに立つための準備期間であったといえます。

 

入試までの残りの時間は、悔いのないように全力で戦ってください。人生を変える戦いです。

あなたの戦いは、あなたの孤独な戦いでしたがあなただけの戦いではなかった。

あなたの戦いは、あなただけではなくたくさんの人を変えていきます。

 

私はいつも1995年のときの気持ちで、

遠くから御武運をお祈りしています。

 

いくた