研究データによると、一卵性双生児で成績に差が出ないのは音楽と体育、最も差が生じるのは物理と数学ということでした。
一卵性双生児は、天性の才能に差異はないと仮定すると、物理や数学では遺伝的要素が少ないということになるのかもしれません。後天的な努力によって物理や数学の能力は高められるということになるのですが。
これはかなり驚きな話ではありませんか。普通の人の感覚であれば、語学や人文科学の方が、努力で補える能力は高いように思えます。しかし、世の中で理系オブ理系といわれる、物理と数学が努力型の科目だったなんて。
しかし、私がこの世界で理系オブ理系な理系科目を教えている身として感じていることは、理系科目は努力しても、成果の度合には個人差が大きく存在するということです。
苦手意識が強い人は、勉強を教えても、すぐに忘れてしまいます。
普通は忘れるというのは、記憶が取り出せない状態なだけで、記憶を掘り起こしてあげれば思い出せる状態のことなのですが。理系科目の忘れるという現象は、もはや生まれたままの状態に逆戻りしてしまうことといっても間違いありません。記憶の断片も見つからないのです。理系科目である意味では最も重要な、経験的能力を積み上げていくことを、海馬が拒否してしまうのです。
だから私が勉強の指導をするときには、基本的に褒めて伸ばします。なぜそうしているのかというと、褒めることによってその科目が得意だと勘違いすることを促進したいからです。
子供に算数を教えているときに、歩留まりのよい子供と、すぐに忘れてしまう子供が確かに存在します。これもきっと何かの勘違いによって、算数に得意意識を持ったか、逆の意識を持ったか、そういったことが顕れているものだと感じます。だから、特に子供向けの指導は、得意意識という勘違いを促進させるように、その点を第一目標として指導に当たります。
上の記事では、理系科目には先天的な才能に違いは少ないということでした。ということは、後天的に植え付けられた意識が理系能力を強く支配していることは、間違いないと思います。
いくた
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