予習復習など、自学習に関する考察 | 中学入試と医学部入試の道の駅

中学入試と医学部入試の道の駅

小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

 

昨日の記事に、受験生ブロガーさんからコメントをいただきました。予習復習に関することです。学習効果に関して重要な話ですので、取り上げさせていただきます。
 
私がメインに担当している教科、高校数学についてに絞ってお話をします。
 
数学に関しては予習75%、復習25%程度で、予習を重視すべきだと考えています。私がこの考えになったのは、ずっと昔のことです。大学生の頃に塾講師や家庭教師のアルバイトをしていた時にも、生徒にはこのように話していました。

東海高校の父母懇にゲストで呼んでもらったときにも、そんな話をしたのですが、お母様方は意外な顔をしていましたかね。復習が重要だと教えていると思ったのでしょうか。
 
学習方法に関しては、個々にいろいろな考え方があるとは思うのですが、数学が予習重視であることに関しては、あまり議論の余地がないと思うのですよ。
そもそも、数学という科目自体、予習なしでやっていけるのかが疑問です。授業前に要点整理をしておかないと、すぐに授業が分からなくなってしまうと思うんですよね。
進学校の授業なんて速いじゃないですか。少しでも分からないことが発生すると、そこからどんどん崩落が始まって、あっという間に全体的に理解度不全に陥るものです。これは幾太郎の経験込みで。
 
予備校の授業では、学校の授業よりも更に数倍の速度で進行します。3年分を半年で終わらないといけないので。
私たちは予習していない生徒でも分かるようには解説します。しかし、もちろん歩留まりが悪くなりますし、分かったような気がして終わりになることもあります。
 
予習といっても、完璧である必要は全くありません。自分で考えられることだけあらかじめ考えておくだけでいいです。悩めるだけ悩んでほしいのです。悩み切ったら終わり。そこで悩んだ分が授業の結果として還元されていきます。
無駄に時間をかけるのではなく、やれることだけやっておくイメージです。
 
予習の大切さは間違いないとは思うのですが、高校の先生からそのように指導を受けることが割と少ないというのが現状でしょう。高校生に予習をしなさいということが、無責任な指導だと思われることもあるのかもしれません。予習という言葉だけで拒否反応を示す生徒もいます。だから、復習をメインに勧めてしまうこともあるとは感じます。
 
私は予備校の開講直後の最初の授業で学習の進め方について話をするのですが「予習は必須ですか?」と言われることもしばしばあります。それが多浪生だったりもするんですよね。今までそういった指導を受けてこなかったのかと思います。それがこの結果を生んでいるのかもしれませんが。
 
復習メインの学習は危険です。授業で分からないことがあったら、そもそも復習できないじゃない。復習が可能な状態にしておくためにも予習は必要です。
また、復習は最後の砦です。それがうまくいかなければ、瓦解が決定してしまいます。なるべく事前に保険をかけておくことが安心を生むでしょう。
 
私は復習が不要だとは言っていません。復習を効率的に短時間で進めるためにも、予習は必須であるとも感じます。
予習→授業と進んだ結果、どのポイントを注意して復習すべきなのかが明らかになるので、復習は効率的になります。昨日の記事にもかきましたが、その復習は早い方がいいということです。時間を空けると理解度も定着度も下がります。
そして、次回の予習は、復習も兼ねられるということにもなります。
 
今日の話は一度は聞いたことがあるんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。意外と認知されていないのですよね。
高校に入って、数学が難しくなって、一気に出来なくなったということはよくある話ですが、中学のうちから学習の最適化に関して注意してやっているのであれば、ある程度は防げることではないかと考えています。
 
実際に、昨日の記事にコメントしてくれた受験生ブロガーさんがとても優秀だという事実と、幾太郎が今は数学を偉そうに教えているのに高校時代は30点くらいしか取れなかった事実は、予習復習を計画的に行うことの意義を教えてくれていることではないかとも感じます。
 
いくた