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中学入試と医学部入試の道の駅

小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。


昨日の問題はサンさんがコメントに解答を書いてくれたので、これで終了で。

 

そして同じような問題を追加で。

 

問題)

線路沿いを自転車で走っていたら、前からくる電車と20分おきにすれ違い、後ろからくる電車に30分おきに抜かされた。電車は何分おきに走っていますか。

ただし、前後どちらに進む電車も同じ間隔、同じ速さで運行しています。


この問題は、結論だけ書くと、


積÷和×2


となる。つまり、(20×30)÷(20+30)×2=24分


感覚的には、20分と30分の間であることは分かるが、単純平均の25分より少しだけ小さな値となる。

 

積÷和×2のことを数学では、調和平均と呼ぶ。


調和平均の正しい定義では、逆数平均の逆数

である。



調和平均は数値にバラツキが少ない場合には、単純平均とほぼ変わらないが、バラツキが大きいと単純平均よりも小さくなってしまう。


科学的には、単純平均よりも調和平均の方が重要であることは度々ある。




今後、入試過去問演習などで調和平均を使ってみてもいいだろう。


例えば、過去問演習を3回やって、60.60.60というスコアである場合と、80.40.60というスコアである場合。

どちらも単純平均は、60点であるが、調和平均だと、


60.60.60の場合


(1/60+1/60+1/60)÷3=1/60 これが逆数平均でその逆数は60点


80.40.60の場合

(1/80+1/40+1/60)÷3=13/720 これが逆数平均でその逆数は、720/13=55.4点


このように、不安定な得点であると、調和平均はそのことを反映して低目の値になる。不確実性の割引を入れるべきなのが過去問演習なので、この考え方は使えると思う。


いくた