偏差値が上がったり下がったり1 | 中学入試と医学部入試の道の駅

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小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

中学受験生の戦いもあと100日くらいになっている。アメブロの記事を拝見すると、ここにきて偏差値が急落して慌てているお母様方が多いことに気が付く。親子共闘がここにきて瓦解しそうで、不安なのだと思う。しかし、この下落には原因がある。

私の指導先でも度々この現象はみられた。夏休みの後に発症しやすいポストサマー症候群である。

 

夏休みにはいろいろな復習ができて、知識が増強されている。しかし、ここにきてその知識の整理が追いつかず、頭の中が一時的な混乱状態になっているのだ。今までは知識が少ないゆえに素直に答えるしかなかったことが、夏休みで増強された知識でいろいろな可能性を考えるようになり、逆に易問すら素直に解答できなくなってしまう。

もちろんここにきて受験への焦り、プレッシャー、疲れ、そういったものが綯い交ぜになって、さらに混乱に拍車をかけていることもある。

 

「偏差値が10下がった。もう受験までに元に戻ることはないかもしれない。どうしよう・・・」

と思っていらっしゃる方、ポストサマー症候群は治ります。だから心配ありません。偏差値としてこれから戻るかどうかは分かりませんが、受験までには完治して、頭が整理された状態で入試を迎えられる可能性は高いです。

今の時期に発症しているのであれば大丈夫です。受験直前に発症しなくて良かったわけです。

 

逆にお母様が心配するとこじらせます。心理的な要素が強いものですから、不安感が症状を悪化させます。不安に感じないお母様はいらっしゃらないかもしれませんが、それが子供に伝わらないようにしてください。

これからの模試で偏差値が悪かったのであれば、

「これを間違えたのは、受験当日に間違わないためだよね。受験の神様は受験当日じゃなくて、今日間違えさせてくれたのだから、有難い御利益だね。」

とでもいっておけばいいです。楽観的に考えてください。ポストサマー症候群を発症したということは、一段高いレベルにあがる可能性もあります。

 

もし休みがあれば、一日くらい休んでしまった方が、症状は改善するでしょう。しかし、強制的に休ませることはお勧めしません。それもこじらせることにもなりますから。しかし、本人が休みたいといったときには、休んでしまいましょう。今は一日休んだところで、遅れを取ることはありません。受験までのことを考えるのであれば、有効な休養をとりたいところです。


いくた