算数も数学も答えを追うゲームなんだけど | 中学入試と医学部入試の道の駅

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小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

勉強はスコアを争うものです。ゲームでもスポーツでも同じですね。勉強は少しだけルールが複雑なだけ。
だから努力することが大切だけど、戦略も重要。戦略のないゲームはありませんから。

私は戦略を授けるコーチなのですが、このコーチというゲームもなかなか難しい。
算数も数学も、コーチである私が教えてしまうと負けなんです。指導をしているのに教えてはいけないものなのです。
正確には、定義や最小限の定理だけを教えて、残りのことは生徒に自ら気が付かせないといけないという滅茶苦茶難しいゲームです。

算数や数学は、先生に聞かないと分からないのではないかと思っている人もいるかもしれません。しかし実際には教えてもらったら負けです。実際に教えてもらったことはなかなか定着していないでしょ。自分で見出さないと結局はいけないゲームなんです。

生徒からの質問で、こういった意識のあるなしが分かることがあります。

「この問題をこのように解いてみたのですが、途中で詰まってしまったので、ヒントをください」
みたいな質問をされると、私も答えやすい。途中までその生徒の方針が分かっているので、それに沿ったヒントをあげればよいから。そうすれば詰まっているところが流れて、解答の道筋が見えてくる。自分で見出せた道筋だから、もう忘れないでしょう。

「この問題がよくわからないから教えてください」みたいな質問は非常に困るわ。その生徒がこの問題をどのように読んで、どのような解釈をしたのかが分からないから、ヒントを出そうにも的外れになってしまうこともある。
そういう場合、私は答えを教えてしまうんだよね。コーチとしては負けだけど。的外れなヒントしかくれない先生より、答えを教えてくれる先生の方が親切だと思われるよね。だから

私が粘り強く答えを言わずに質問対応するときには、相手のことをよく知っていないといけないし、自分も気持ちや時間に余裕がないといけない。そういった状況が整わないときには、とりあえず答えを教えてしまう。本当は良い先生とはいえないけど。

いくた