通学中、駅で有名人にとてもよく似ている人を見かけた。


一瞬だけ本物かと思って、思わず目で追ってしまったが、もちろん別人だった。


似ている人がいるとは聞くけれど、ここまで似ていると不思議な気持ちになる。




ドッペルゲンガーという言葉を思い出す。

世界に自分とそっくりな人が何人かいるという話だ。

特別信じているわけではないが、ああいう場面に出くわすと、少しだけ現実味を帯びてくる。



もし自分に似た人がいたら、どんな生活を送っているのだろうか。

同じように学校に通い、同じように将来のことを考えているのか。

それとも、もう進む道を決めているのか。

考えても答えは出ないのに、自然と想像してしまう。



電車がホームに入ってきて、その人は人の流れに紛れて見えなくなった。

ただそれだけの出来事なのに、その人の顔はなぜか脳裏に焼きついていた。

世界のどこかで、自分とよく似た誰かが、同じ時間を生きているのかもしれない。

目に見えぬものに思いを馳せる、冬の登校時間。