以前に一度書いた、片岡義男氏の小説。時々、手にとって読み返すんです。
彼の小説スタイルは独特です。何というか、情景を切り取って文字で写真集にした様な感じ。というか短編映画みたいな雰囲気かな。彼の描くヒロインには彼の女性への尊敬と愛が感じられます。
例えば彼の中編集のひとつの「美人物語」。
クラブのホステスからテレビ局のキャリアウーマンまで、様々なキャリアの女性がそれぞれの物語に登場するんだけど、どの女性も凛としてる。自分のことを知ってるっていう感じかな。押し付けがましくない、ちょっと弱さも見せる強さ。男性をいい相棒として接する、でも自分を押し通せる大人。
ストレスで「ツカレター」という時にちょっと彼女達の世界に入ると、虚構のヒロインと分かってても共感して、そのしなやかさをマネしたいなと思ったりするんです。で、ちょっと息抜きにページをめくったりします。
「スローなブギにしてくれ」という、ちょっとインディーズ映画監督のJim Jarmuschの初期の映画っぽいようなおとぎ話っぽい感触があるストーリーなんかもあります(私は彼の「Stranger than paradise」なんて映画も好きだった)。
この話の中のティーンエイジの女のこは猫をどんどん拾ってくる。ストーリーの冒頭はオートバイの男のこが走行中の車から猫が次々ポンポンと道路わきに放り出されて、しまいにバスケットを抱えた女のこがその車から押し出されるのを目撃するシーン。そこから二人の関係が始まります。
彼の小説には車、オートバイ、沿岸道路、海、ジン、夏、夜の風景などが巧みに背景に使われてます。これも彼独特の作風を作ってるものかな。片岡氏のアメリカ生活の色の影響でしょうね。さらっと読めてしまう小説です。![]()
今朝、ふと手にとって、何となく彼の小説のことを書きたくなりました。
フィラは空気は冷たいけど、いいお天気の週末です。さて、イロイロと待ち受けている来週に備えてエネルギーのリチャージです。![]()