YouTubeチャンネルPIVOTを見て、刺激を受けている日本思想家の先崎彰容による2017年の著作。


明治維新150年を機に、「近代日本は何だったか」を長期的な視野で捉え直そうと考え、格差や少子高齢化など現代日本の根底にある「近代化の病理」を考察するため、西郷隆盛を切り口に選んだ。


西郷本人の伝記ではなく、西郷を論じた福沢諭吉・中江兆民・頭山満・橋川文三・司馬遼太郎らの西郷論を通して、近代日本が抱えた「西洋かアジアか」「道徳か経済か」「天皇か革命か」という根本問題を浮かびあがらせる。


・日本の近代に関する5人の思想家のイメージ


西郷は完成された英雄ではなく、日本が理想の「国のかたち」を投影しつづける「未完」の存在。


著者にとって西郷はその政治思想ではなく、死生観によって記憶されつづけている。

最初の出会いから四半世紀が経ったが、いまだに西郷本人を書くだけの勇気がもてないという。

これが「未完」という題名の所以。


・江藤淳の西郷評


・司馬遼太郎の西郷評