本屋大賞を受賞した『イン・ザ・メガチャーチ』から遡って、2021年に柴田錬三郎賞を受賞した『正欲』を読んだ。

当時はLGBTQやダイバーシティ(多様性)が叫ばれ、企業や各種団体でも理解を深める教育研修が盛んにおこなわれていた。

『正欲』は、他の人には理解してもらえないような嗜好を持つマイノリティの人たちが、社会が掲げる多様性の枠組みでは容易に受け入れられない悩みや諦念を持ちながらも、つながりを求めて生きていこうとする姿を描く。

多様性という言葉への問い直しと、他者理解の限界を悟らされた。