『イン・ザ・メガチャーチ』が本屋大賞を取ったことで今話題の作家、朝井リョウ。


2013年に『何者』で、男性受賞者としては最年少の23歳で直木賞を受賞しているので、まずこれを借りて読んだ。


それぞれの事情から大学に5年在籍して就活を迎える男女。


女性は、留学や国際協力の経験を売り物に。

男性は劇団やバンド、美術館学芸員見習いを経験しているが、就活の売り物は?


そんな男女の就活仲間のツイートと面着の対話を織り交ぜて物語が展開する。


従来の小説には見られない、時代にマッチした新しい文体。


ツイッターで発信する何者でもない表の顔と、裏アカウント(何者)で漏らす傍観者としての本音。


普段は和気藹々とつきあいながら、ちょっとしたきっかけで、本当の自分が何者なのかさらけ出される緊縛したやり取り。


主人公は、そういった葛藤を経て、偽りのない自分の姿で面接試験に臨むが。


自分が何者か、何になりたいのか、よく分からないまま、進むべき道を無理矢理選択して大人の世界に入っていく。

私を含め、多くの人がたどってきた道。

時代が変わって、コミュニケーションのツールが変わっても、就職世代の若者が直面する迷いや葛藤の本質は変わらないなと思った。