2024年に雑誌や新聞に発表されたエッセイから、角田光代・林真理子ら6人の編集委員が選定した72篇と各編者の6篇が収録されている。
毎号、亡くなった著名人を偲ぶエッセイが収録されるが、この号では村上春樹が「小澤征爾さんを失って」と朝日新聞に寄稿したエッセイが収録されていた。
横尾忠則が河北新報に寄稿した「篠山紀信さんを悼む」も掲載され、あの人もこの世の人ではなくなっていたんだなと改めて思い起こす。
今回の号で一番衝撃を受けたように印象に残ったのは、高嶋政伸の「インティマシーコーディネーター」。
聞いたことがない職業名なので興味をひかれた。
デビューからしばらくは好青年役を演じていたが、15年ほど前から悪役が増えた。
2023年はハードな役が続いたが、中でも一番ハードだったのは、自分の娘に幼い頃から性的暴行を加え続けている父親の役。NHKドラマ『大奥』で演じた徳川家慶。
この作品の台本を読んだ段階で、演じる高嶋自身にとっても娘役の俳優さんにとっても心身ともにハードな現場になるのは明白だったので、引き受けるにあたって「インディマシーンコーディネーター」を付けてくださいとお願いしたそうだ。
俳優が難しい役を演じるにあたって、撮影に取り組むまでの細心の配慮、役者の「演技」にかける意気込み・本気度に衝撃を受けた。
