第二次世界大戦後、日本は安全保障の基軸を日米同盟にすえた。

その根拠となっている日米安全保障条約は、1951年9月8日にサンフランシスコ講和条約とほぼ同時に署名され、その後1960年1月19日に改定されて、今日に至っている。


日米同盟とは言っても、日米二国間にとどまらず、地政学的重要性を持つ朝鮮・台湾を含めた防衛体制の一機能になっている。


この現実を見ようとせずに、「一国平和主義」「必要最小限論」を背景とする「日本的視点」にとらわれると、結局日本自身の安全が脅かされてしまうことになる。


そこで、日米同盟の抑止力を高め、平和を維持するために、「第三者的視点」を取り入れる必要があると著者は言う。


本書では、日米同盟という主題を、基地使用、部隊運用、事態処理、出口戦略、拡大抑止の五つの分野に分け、日本的視点と安全保障の現実とのギャップをあぶり出し、そのようなギャップを埋めるための努力の積み重ね、日米同盟のバージョンアップを提言している。