図書館で偶然手にとった本。

著者の井口昭久医師は、名古屋大学医学部老年科教授、名古屋大学医学部附属病院長をへて、現在、愛知淑徳大学健康医療科学部教授。


「老年」が専門だけあって、患者や本人の体験を基にした「老い」や「病気」に関するエッセイを書き続けている。この本は、その第7弾。


2019年から2021年の間に毎日新聞や医学系雑誌・情報誌に連載されたものの中から選ばれたエッセイ集。


先生はこの本が発行された2021年当時、77歳。

68歳で前立腺がんを患い、その後間もなくステージ4の食道がんで死を覚悟したが治癒した。その後8年目に食道がんを再発、さらに早期胃がんも発見されて、共に内視鏡手術で完治。しかし先生の老化は確実に進行した。


私も69歳のときに左腎臓がんを患って摘出、その後前立腺肥大の手術、早期胃がんの内視鏡手術を経験しているので、「病気」と「老い」についてのエッセイには自然と惹かれる。


また、先生の勤め先の名古屋や長久手は地元で土地勘があり、出身地の伊那も何度も旅行しているので、情景が思い浮かび親しみがわく。