1カ月ほど前に、『ニューヨーク・タイムズのドナルド・キーン』を読んだのに続いて、キーンさんが日本へ帰化した後に綴って、中日新聞/東京新聞に掲載された『ドナルド・キーンの東京下町日記』を読んだ。
ナチスドイツがポーランドに侵攻し、フランスを占領した1940年に、ニューヨークの書店で出会ったアーサー・ウェーリ訳の『源氏物語』に夢中になったことから、日本文学研究の道に進み、海外への紹介や後継者の育成で多大な貢献をしたキーンさん。
未来を担う子どもたちへのキーンさんからのアドバイスは、「まずは読書。優れた日本文学を読もう。お薦めは、やはり古典である。日本の古典教育では、原文の読解と文法が重視される。入学試験でも同様の傾向がある。だが、それは間違いだ。味気なく、面白くもない。文学は読んで楽しむものだ。・・・」と続き、自らの体験から、古典の優れた現代語訳を読むことを推奨している。
次に薦めているのは、「一つでいいから外国語を学ぼう」。そうして、もうひとつ。「旅に出ること」。
以上、三つのアドバイスを、私の場合は、子ども時代ではなく、大学・社会人になって始め、定年退職後も続けている。
これまでに、どれだけ社会に貢献できたか分からないが、せめて気力と体力が続く限り、読書と外国語学習と旅を続けていきたい。