クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの新型コロナウィルス騒動に注目か集まっていた2月上旬に、ウィルス関係の本に何冊か目を通した。

ウィルスや生命を突き詰めていくと、DNA、ゲノムにたどり着く。図書館で、2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑先生の「ゲノムが語る生命像」を手にとったが、素人には内容が難しく、二度完読出来ず、ようやく三度目の正直で読破した。
ただ、読むだけでは、すぐに忘れてしまうので、要点をノートに書き写しながら。






第2章「分子細胞遺伝学の基礎」、第3章「ゲノム工学の技術」は、専門的だが、第4章「生命科学の新しい展開」は、iPS細胞とES細胞についての記述やノーベル賞受賞理由となった免疫賦活性化療法(薬は、オプジーボ)など一般にもよく知られていることについて興味深い解説がされている。

第5章「ゲノムからみた生命像」、第6章「生命科学がもたらす社会」で、本庶先生の考えが語られる。 

印象に残った言葉は、
*人間社会において個性と多様性を尊重することが、
 種の存続にきわめて重要

*安全と安心
 安全: 科学的根拠に基づいたリスクの低さを表す。
    一定のリスクはある
 安心: 主観的なもの、どんなに危険性が高くても、
    本人が安全と信じれば安心
        ↓
    逆の表現をすれば、どんなに危険性が低く
    ても、本人が危ないと思えば危険、不安

 特に、原子力や組換えDNAについては、安全と
 安心を混同して不毛な議論がなされることが多い
 ので、注意したい。