過去問についてご質問をいただき、ちょうど色々まとめておきたかったこともあったので記事にしましたメモ
 

 

何年分やるか

傾向が大きくは変化していない学校で、かつ出題傾向にクセのある学校であれば、やればやるほど形式に慣れますし、最後は自信につながります。「どうせ同じ問題は出ない」という声もありますが、私はむしろ問い方、考え方、根底にあるものといった一段抽象的なところで「同じような問題が繰り返し出る」と感じることが多かったです。

 

ただし注意点はあり、遡り過ぎると特に社会では時事の内容が古かったり、統計データが現在とは違ったり、また学校の難易度も違ってきて合格最低点や平均点があてにならないということも起き得ます。それらは承知のうえで、我が家では長男の熱望校は14年分やりました。

 
最後の最後、かなり古い入試過去問をやるか、それとも最近の学校別サピックスオープンの過去問(入手済)をやるかで迷いましたが、結局かなり古い入試過去問にしました。このあたりはまた機会があれば。
 
新しいものからやるか古いものからやるか
私個人の感想としては、多くの学校で5年を超えて大きく遡ると点数が取りやすくなるように感じました(遡っていって点数が上がってきて力がついてきたと思ったら、新しいものはやっぱり全然できなかったということも…)。
 
これは恐らく、塾の教材が主に古めの過去問をベースに作られている(見たことがある問題に出会う確率が上がる)のと、大学入試センター試験(~2020年)→大学入試共通テスト(2021年~)の影響を受けて中学受験も少し問題の形式が変わってきた(例えば、長いリード文を読ませる問題が増えた)からかなと見ています。
 
早めに最新の傾向を見ておくメリットも最後に最新のもので何点とれるかを見るメリットもあるので好みですが、個人的には本命校なら最初はまず古めのものからやって慣れと自信を作ることと、新しめのものを少なくとも1回分は直前にとっておくことをオススメします。いずれにしても、新しい年度の過去問をやれずに本番を迎えるということにだけはならないよう、ご利用は計画的に。 
 
赤本と実物は何が違うか
実物では特に算数では余白が十分に用意されていることが多いのに対し、赤本は誌面(ページ節約)の関係で、余白がつめつめで印刷されています。フォントも違ったり、解答用紙のデザインや配置も実物と違う場合があり、雰囲気はやはり実物と赤本でだいぶ異なります。事前にメルカリなどで入手しておき、最後の最後に2回くらいは実物の過去問を使って練習しておくことは意味があると思います。
 
なお、四谷大塚の過去問DB(国語は非掲載が多い)のものは実物のスキャンなので、これを実物サイズで「冊子印刷」まですれば(紙質や色味をのぞけば)かなり本番に近いものにはなりますが、紙のボリュームも手間も増えます…。
 
過去問は各社から出ていますが、関東では一番売れている声教さんのもの(黄色と赤のもの)が無難だと思います。他のものは解答の間違いが多いという噂です。本になっている使いやすさとセカンドオピニオンの観点から、受ける予定の学校の赤本は買ってしまって損はないと思います(1年古いものならメルカリでかなり安いですが、10年古いものは逆に希少価値でかなり高くなったり…)。
 
解答について
記述問題で解答が(例)となっているものや、国語の記述では全然違った方向性の解答が書かれていることがザラにあります。それだけでなく記号問題の答えが違っていることも一度や二度でなくありました。解答はセカンドオピニオンのため2ソースくらいは用意しておきたいところです。
 
四谷大塚の過去問DBや学校が公表している過去問は基本的には解答だけで解説がありません。これだと振り返りが非常に面倒になります。日能研の「入試過去問題ダウンロードサービス」の解説は我が家には最も使い易かったですが概ね6年分で、それより古いものはないのが難点です。4年後の次男の時のために、受ける可能性がありそうな学校のものは、今のうちにダウンロードしておきました。
 
配点について
各学校で合格最低点や合格者平均点は公表されますが、実は配点は公表されていません。簡単な問題の配点が高めで難しい問題の配点が低めなのか、それともその逆なのか、部分点はどの程度入るのか、実はそれらによって同じ答案でも点数が全然違ってきてしまいますが、真実は闇の中です。
 
「過去問では取れていたのに」やその逆が起こる理由の一つがここにあります。日能研では先生が学校の先生にヒアリングしていたり、卒業生の「再現答案」の情報も持ったうえで配点を推定しているという点に敬意を表してまずは日能研の見解を信じましたが、納得いかない時はセカンドオピニオン(赤本や早稲アカのNN資料←メルカリで入手)も見ました。
 
採点基準について
部分点をどのくらいもらえるか(例えば「数の性質」の問題で「全て書け」の答えが4つのところを3つ書いて、書いたものは合っていた場合)や、例えば記述の誤字脱字をどう扱うかなどは学校によっても全然違います。前述の通り、大手塾の先生はこれらの情報も持っています。一例として↓にもアンケート結果が載っています。
 
各塾の志望校別模試の採点基準には大きな差異を感じませんでしたので、これらを実際に受けて採点の仕方(部分点の入れ方)の参考にし、普段の過去問も採点するのがいいでしょう。
 
番外編:A3プリンターは必要か
あれば便利なのは間違いないですが、あの見た目とサイズを考えると…我が家はなしで乗り切りました。週に一年分くらいのペースだったので、私がドラッグストア(5円コピー)に通いました。基本は赤本を問題はB4コピーし、回答用紙だけA3に拡大コピーしました。それで最後に実物過去問を数回やれば十分かと思います。