過去問に対する考えを整理しておこうと思います。過去問の考え方にはいくつか流派があるなか、ここに書いたことは自分の大学受験やその後の色々な経験をベースに考えた「個人の感想」レベルの話です。断定的な表現はなるべく避けたつもりですが、表現がまどろっこしくなるのも避けたかったので、そのあたりは大目に見て下さい。
さて、表題の「過去問いつからどれくらいやるか問題」ですが、これはケース・バイ・ケースだと思います。これで終わっては元も子もありませんので、どんな「ケース」だとどうなのかを書いていきます。
重要な観点は主に①各単元の基礎がある程度固まっているか否か、②出題傾向のクセが強いか典型的か、③出題傾向が長年大きくは変わっていないか変わっているか、あたりでしょう。
結論から言えば、これらの各観点で下線を引いた「前者」の場合は、なるべく早くからやれるだけたくさんやるのが良いと考えています。もちろん、ただ数をこなせばいいというものではなく、きちんと"消化・吸収"することが前提です。

まず、①です。SNS界隈では夏休みが明けたらもう過去問を始めないといけないような"空気"がありますが、各単元の基礎がまだ全く固まっていない場合は、むやみに過去問をやるよりも塾テキストの復習や良質な問題集を使って基礎を固める方が効果的でしょう。
なお、過去問をやり始めたものの合格最低点からあまりにも乖離していたという場合も、その学校を受けるにあたって必要な基礎がまだ足りていないという意味で、同様にむやみに過去問を重ねるよりは単元ごとのレベルアップに目をむけた方が効果的だと思います。
一方で、ある程度基礎が固まったら(それでも抜けは次々と出てくるものですが)、過去問をやりながら穴を見つけてはつぶす(穴が大きい場合にはその周辺だけ問題集なども並用して)ということを複数の学校の過去問でやっていくと仕上がっていくと思っているのですが、どうでしょう。
そして②です。学校の出題傾向がオーソドックスな場合や、(あまり好きな言葉ではありませんが)"持ち偏差値"が大きく超えている学校の場合は、過去問に取り組む優先度は高くありません。もちろんやるに越したことはありませんが、最悪、直前に1年分やる程度でも(なんなら実際には解かずに出題形式などを"眺める"だけでも)…。
一方で、出題傾向のクセが強い学校の場合は、早めに、かつ多めに過去問に取り組んだ方がいいでしょう。出題のクセが強い学校というのは普段の模試の成績とは違った結果になりやすく、また過去問を通してしか学べないような問われ方や答え方というものが結構あると、まだ長男が過去問に数年分取り組んだだけでも既に感じています。うちは熱望校については10年分以上やる予定を組んでいます。
とはいえ注意点はあり、(③の観点で)長年大きくは傾向が変わっていない学校であっても、遡り過ぎると傾向が変わってきたり、特に社会の場合には時事問題が「時代遅れ」だったり、統計データが現在とは違ったりということが起こり得ます。その点は注意しつつですね。
個人的には、熱望校であればそれでも遡るに越したことはないと思っています。見た目や形式が変わっても、根底に流れている学校が大事にしているものは変わらなかったりするのと、やれることはやったという感覚が、最後には自信と納得感につながるからです。

ただいずれの場合においても、受験する学校の過去問は早めに入手して、実際に解かないまでも眺めておくことは有用だと思います。学校によって本当に出題形式は全然違いますからね。
しかし「過去問の解答用紙コピーは実物大で」というのが当然のように広まっている現代の中学受験は、大学受験時にノートに過去問を解いていた私からすると、ちょっと過保護過ぎるような気がしています
本当に、色々と中学受験恐るべしです。