各塾の2023年入試結果を受けた結果偏差値(特に日能研の結果R4)がSNSで話題です。これについての考察を書こうと思ったのですが、その前に「"結果"偏差値って?」「R4って何?」という方がいるかも知れませんので、本論に入る前にいったん「予備知識編」を書きます。
(実は莫大なデータを整理・把握するのに時間がかかっているという裏事情もあり…笑)
 

 

「R4」は日能研の独特な用語で、より一般的な言葉で言うと「合格率80%偏差値」です。ちなみに「R3」が「50%偏差値」です。
 
また「"結果"偏差値」は模試の偏差値がいくつだった人が入試の合否がどうだったかという入試結果に基づくもので、本来的にはデータに基づく客観的なものになります。
(わざわざ「本来的には」と書いた理由は、個人的には疑わしいと感じる部分もあるからです。)
 
これと対比される「"予想"偏差値」というものは、その年の志望動向や特殊事情なども踏まえて各塾が"独自の方法で"ある意味主観的に算出したものです。
 
新設された学校や日程、難易度に明らかに大きな影響を及ぼす何かがあった学校では、過去実績が参考になりませんから、この予想偏差値に頼ることになるでしょう。
ちなみに今年の入試では、この"予想"偏差値に頼るしかなかった芝国際で大混乱がありました。。
 
なお、SAPIXは「予想」偏差値のみを公表しており、
「結果」偏差値は内部生にしか開示していません。
 

 

ところで、模試の偏差値入試の合否の相関はスパッと一つの数字(「点」)で表せるほど単純なものではありません。
正しいイメージを持つために、処理する前の一次データがどんな感じになっているかを一度は見ておく方がいいと思います。
 
ある年ある学校の一次データは下図のような感じです。
横軸が偏差値で、右にいくほど高偏差値。
縦軸が青は合格者数、赤は不合格者数となっています。
右に行くほど合格率(=合格者数/(合格者数+不合格者数))が大きく、左に行くほど合格率が下がり、両者がクロスする偏差値が50%ラインです。
 
サピックスの入試分析資料より(一例)
 
このグラフから得られる情報はたくさんありますが、ここから合格率80%ラインの偏差値という「点」情報にしてしまったら、比べやすくはなりますが、情報量としてはかなり減ってしまうことが分かると思います(本当は、同じ80%偏差値でも形状まで見ると中身は全然違うのに!とか)
 
上記のことを理解していると、80%偏差値(R4)だけでなく、せめて50%偏差値(R3)も併せて見ておいた方がいいだろうという考えに至ります。(このあたりはアメンバー限定記事でもう少し深掘りしようかと思っています。興味ある方は、ブログかTwitterを書いている方であれば歓迎しますのでアメンバー申請して下さい。)
 

 

個人的にはR4で1程度の差を論じる意味はあまり感じていないのですが、SNSで話題なので一応次回、考察することにします。もはやただの趣味です(データを見るのって楽しい照れ)。←ヤバい人

 

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