連載の2回目です。

1回目を読んでない方はまず1回目から読んで下さい。

 

 

算数の文章題を解く時のプロセスについて前回、

①問題を読んで理解する(情報を整理する)…読解力、情報整理力

②試行錯誤をして方針を決める…思考力

③計算して答えを導く…計算力

(④見直しをする)

と書きました。今日はについて詳しく書きたいと思います。

 

問題文が長くて複雑で、何を言ってるか分からない。

何を聞かれているか分からない。

入塾前の長男の場合は真顔「難しくてわかんない」の中身はこれが一番多かったです。

文章を読んで状況や場面をイメージできない、ということですね。

 

これに効果があるのは、まずは音読だと思います(国語と一緒)。

「てにをは」や文末も含め、一字一句まで正確に、

そして区切れやアクセントも正しく問題文を音読することです。

 

読んでもらって文節やアクセントがおかしい場合は、

意味を正しく理解できていない可能性が高いので指摘します。

そして一度読んで分からないようなら、何度か読んでもらいます。

 

ものすごく簡単にした例でエッセンスだけ示しますと、

適当に読んでる子は、「3は6の何倍でしょう」と書いてあると、

「2倍」と答えるようなミスをするわけです(正解は0.5倍、または1/2倍)。

 

「てにおは」を頭の中で適当にごにょごにょっと読んでいて、その重要性を認識していないからです(「3」「6」「何倍」の部分だけ頭の中に入れて、それぞれの「関係性」は自分の想像で勝手につないでいる)。

まあこの例では短いからすぐに違うと分かると思いますが、文章が長く複雑になってくると、同じようなことをやってしまう人が増えてくるわけです。

 

繰り返し音読してもらっても意味が分からなければ、音読してあげます

3年生までの算数では「最レベ」くらいでも、意外とここまでで(これだけで!)

「あっ、分かったひらめき電球と自分で解けてしまうことも本当に多かったです。

 

最レベ算数問題集小学3年―段階別

 

ちなみに、まだお子さんに読み聞かせをしているような年齢なら、「てにをは」を意識し、強調した読み聞かせをすることがこのあたりの国語力アップに有効なようです。私が大変共感しているこの本↓の受け売りです(笑)

 

将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!

 

読むだけで意味が分かりにくいような複雑な条件の問題では、

線分図や表、ベン図や絵などに整理した方がいい場合もあります。

これは最初は何度かお手本を書いてあげないと分からないと思います。

簡単な問題でも、なるべく絵や図表を書く習慣をつけた方がよいですね。

 

私はよく、長男との日常会話の中でも、しゃべりながら説明に図表やグラフのイメージを使います。

これは算数だけでなく、ビジネスでも普通にやることです。

やるのを見慣れていると、普通にやるようになると思います。

 

さて、この①(読解力、情報整理力)の部分を鍛えられる問題集はというと、

宮本先生の「算数と国語を同時に伸ばすパズル」や、

同じく宮本先生の「賢くなるたんていパズル」がオススメです。

(長男は小3の夏頃に「算数と国語…」の中級編をやりました。)

 

算数と国語を同時に伸ばすパズル 中級編

 

賢くなるたんていパズル 国語と算数をのばす推理 ふつう (宮本算数教室の教材)

 

「算数と国語…」は数独のような問題と文章の問題が交互になっています。

なぜ関係なさそうな2つのタイプの問題が?と一見思いますが、

推理をする時の両者の頭の使い方は、実は似ているからです。

「たんていパズル」は文章の問題のみで構成されています。

 

どちらも、基本的に問題文中に無駄な情報はなく、何かを一つでも見落としたら絶対に解けなくなる(逆に言うと、全ての情報を使えば必ず解けるように問題は作られている)ことが身に染みて、

場合によっては表で整理しながらしっかり読む習慣がつくと思います。

このあたりの情報を整理しながら読む力は、全科目で生きると思います。

 

パズルっぽくてあまり勉強感もないので、入門編や初級編を低学年のうちに取り組むのも良さそうです(次男には小1あたりからわたしてみる予定)。

 

算数の難しい問題と言っても、特に低学年のうちはこの①(読解力)の部分を単に長く複雑にしているだけという問題が実は多いです。

なので、低学年の模試では、計算ができて国語力さえ高ければ結構算数も(そして他の科目も)点を取れてしまう傾向があると感じます。

 

しかし4年生くらいからは後述の②(思考力)の部分で差がつく問題が増えてきます(そしてそここそが算数の肝)

その意味で、低学年の模試での「算数ができるできない」は、

参考程度にしておいた方がよいのではないかと思うところです。

 

分からなくて答えを見る場合も、①の部分(問題の意味を正しく理解する)は乗り越えてから答えを見る方が、学習効果は高くなります。

算数が難しくて教えられない場合、「問題の意味は分かった?」と確認してあげて、音読や情報の整理につきあってあげるだけでも、かなり学習効果が変わってくるのではないでしょうか。

 

次回は②(思考力)について書きます。(間に他の記事もはさみます)

 

応援ポチお願いします。