that節(that SV)は働きがたくさんあります。いわゆる名詞節,形容詞節,副詞節,全部あります。大まかな見取り図を書いておくと,
A)名詞節のthat SV
見た目:that+きれいに訳せる文
意 味: that以下ということ
(例)Do you know that he is single?:彼が独身だということを知ってますか。
+α) いわゆる同格の that SV も分類としては名詞節(のはず)
見た目:名詞+that+きれいに訳せる文
意 味: that以下という+(名詞)
(例)Do you know the rumor that he is single?:彼が独身だという噂を知っていますか。
B)形容詞節のthat SV
見た目:名詞+that+前の名詞がどこかに欠けている文
意 味: that以下である+(名詞)
(例) Do you know the rumor that they were talking about?:彼らが話していた噂を知っていますか。
+α) 上の that はいわゆる関係代名詞の that だが,that には関係副詞の用法もある。
見た目:ときの名詞 / place / reason / way+that+きれいに訳せる文
意 味: that以下である+とき / 場所 / 理由 / 方法
(例)Do you know the place that they were talking?:彼らが話していた場所を知っていますか。
C)副詞節の that SV
見た目:that+きれいに訳せる文
意 味:①目的 ②結果 ③判断の根拠 ④感情の原因 ⑤程度
となります。名詞節,形容詞節もさることながら,副詞節の that SV は意味がたくさんあって困りものです。備忘録として,今覚えていることを書き留めておきます。
①目的(~するために,~するように)
・so that SVの形が基本。
・SVには助動詞(will / can / mayなど)が入ることが多い。
・soかthatが脱落して,"so SV","that SV"になることもある。"so SV"は最近よく見かける気がする。
前者は米語のくだけた表現。後者はかたい表現とのこと。
・"in order that SV"という形もある。
②結果(そして~,その結果~)
・so that SVの形が基本。
・前に,(カンマ)が入ることが多い。
・thatが脱落して,", so SV"となることもある。
・①と②の区別は意味だが,①は「狙っている(だけで実現しているかは別の)こと」だったり,
②は「実現していること(だが狙った結果とは限らない)」だったりと目の付け所はある。
③判断の根拠(~なんて,~とは)
・前に「判断」があるのが特徴。
「判断」は,"(助動詞+) be動詞"で示されるケースが多い印象。
・that以下に感情の高ぶりを示す,「訳さない」shouldが入ることが多いとのこと。
④感情の原因(~して)
・前に「感情」があるのが特徴。
「感情」は,"be動詞+感情の形容詞"が多い印象。
⑤程度(~ほど)
・“so+形容詞/副詞+that SV”と“such+名詞+that SV”の2つが基本。
・基本的にsoの後ろに名詞は入らないが,"many+名詞","much+名詞","形容詞+a/an+名詞"
は例外的にOK。
・訳し上げて,「that以下するほど~」,訳し下げて,「とても~なのでthat以下」の2つの訳がある。
訳し下げの方が意味は取りやすいかもしれないが,主節が否定文の場合は訳し上げが無難。
・どちらもthatが脱落することもある。
・以前,"enough that SV"で「that以下するのに十分」という形を見たことがある。
「ウィズダム」によれば,"enough so that SV"となることもあるとのこと。
最後に①~⑤の例文を挙げておきます。
① He studied hard so that he might pass the exam.
② He studied hard, so that he passed the exam.
③ Something must be wrong that he hasn't come yet.
④ I'm happy that you are well.
⑤ The doctor has so many patients that he is always busy.
(例文は①・④・⑤が「ヴィスタ英和辞典」,③が「ウィズダム英和辞典」より)
① 彼は試験に受かるよう熱心に勉強した。
② 彼は熱心に勉強した。だから試験に受かった。
③ 彼がまだ来ないなんて,何か具合の悪いことがあるにちがいない。
④ あなたが元気でうれしい。
⑤その医者は患者が多いのでいつも忙しい。/その医者はいつも忙しいほど患者が多い。
that SV にはきっと他の用法もあるのでしょうが,今日はこのくらいで。