邦題に「サスペリア」とついていながらアルジェントの監督作品ではない映画の「サスペリア」度を測ります。今日は『サスペリア2000』を。
うん!アリダ・ヴァリ、ドナルド・プレザンス、おまけにアンガス・スクリムも出演していますし、この色使いと残酷さは間違いなく「サスペリア」です!これがアルジェントの監督作品だったら…
サスペリア2000 (1997)
監督:アル・フェスタ
邦題に「サスペリア」とついていながらアルジェントの監督作品ではない映画の「サスペリア」度を測ります。今日は『サスペリア2000』を。
うん!アリダ・ヴァリ、ドナルド・プレザンス、おまけにアンガス・スクリムも出演していますし、この色使いと残酷さは間違いなく「サスペリア」です!これがアルジェントの監督作品だったら…
サスペリア2000 (1997)
監督:アル・フェスタ
この映画についてはパンフレットや劇場でのコメントを読んでもデータや「異常」「傑作」などといった煽情的な感想しか目にできず、何故「異常」で「傑作」なのかという理由が知りたい人の為になるべくネタバレしないよう理論的に解説します。
まず注目すべきはオープニング。主人公の男がある住宅に訪れ老人を射殺するのですが、その直前に彼はこう言います「撃ちますよ」。ここで観客は最初の不安を抱きます「この映画はホラーなのかコメディなのか」と。そして暫く観ていると森での撮影の超絶的なテクニックと音響、演技でこの映画は決してふざけてもいないし下手でもないことに気づきます。しかし同時に不安は増幅していきます。老婆を殺害するときに口から飛び出る入れ歯、陰惨なシーンで主人公の股間をクンクン嗅ぐ犬…これらは丁寧にアップで抜かれているのですが物語にまるで絡まない。「え?そこスルーなの?」と。他に凄惨なレイプ殺害現場を見せておきながら犬にだけは優しい…と、この感覚のズレこそが不安の種なのです。つまりこの映画は本当にこれでホラー映画として成立するのだろうかと…
同じ構造の映画を僕jは1本だけ知っています。フランスの『デビル・ストーリー/鮮血!人肉のしたたり』です。凄く面白いのですが「え?この展開で大丈夫なの?」と思わせながら監督の確固たる意思を感じさせてラストでは拍手したくなるという作品です。
『アングスト/不安』というタイトルのこの作品、「不安」を抱くのは観客自身であるが目を離せない映像とストーリーテリングによって大満足で観終えることができる、そのマジックこそが異常であり作品を傑作に成しえている理由なのです。
アングスト/不安 (1983)
監督:ジェラルド・カーグル
日本で集められる「グリズリー」映画は全て揃ったので海外に手を出しました。そしてR指定の作品を発見して購入。これがもう素晴らしい。現在の技術で作られえる「こういうのが観たかった!」映画でした。凶暴さ、しぶとさ、すべて最高。日本ならR15くらいで公開しませんかねぇ…
Into the Grizzly Maze (2015)
Director: David Hackl
なるほど、噂にたがわぬ傑作。ババドックという魔物も出てきますが物語の本筋は親が我が子を殺してしまうのではないかという恐怖。映画版『シャイニング』でキューブリックが原作から大幅に削った部分ですね。ラストの幸せすぎるところも薄気味悪さが増して余韻が残ります。お部屋で観るときにはできる限り灯りを消しましょう。
ババドック ~暗闇の魔物~ (2014)
監督:ジェニファー・ケント
2020年7月31日にアラン・パーカーが亡くなりました。大好きな監督なのですが尺の長さで観ていなかった『フェーム』と学生時代に何度も観ていた『バーディ』を再見。友人の映画監督が「ロングショットこそ映画の肝」と言っていたとおり、キメの画は全てロングです。監督作のほぼ全てを撮影しているのはマイケル・セレシン氏。
フェーム (1980)
バーディ (1984)
たくさんの傑作をありがとうございました。