人気急上昇中の脚本家・赤羽環がオーナーを務めるスロウハイツ。
自身の小説に影響を受けた者による集団殺人事件が原因で活動休止した後、復活を果たした超人気作家・チヨダ・コーキを筆頭に、画家の卵、漫画家の卵、映画監督の卵・・・いつか夢が叶うと自分を信じるクリエイターの卵たちが集まる家での人間模様が描かれる。
上巻では、住人たちの紹介エピソードが延々と続き、おもしろくないわけではないけれど、ストーリーがまったく動かない。
辻村さんの作品のおすすめランキングでけっこう上位だったんだけどなーと思いながら流し読み。
下巻に入ってからようやく動き出した感・・・そして上巻で緻密にちりばめられていた伏線が回収されていく。ここで、上巻を上の空で読んでしまったことを後悔するっていう・・・でも上巻はすでに図書館に返却済みで、今すぐ読み返すことができない無念![]()
目線がちょいちょい変わるのがちょっと読みづらいな~と思っていたけれど、これも作者のトラップだったか?なんかうまいこと肝の部分をすり抜けていて、単なるエピソードと思っていたのが実は重要な伏線だったというね。
それにしても、「夢を追う者たちが切磋琢磨して成長していく仲間愛」がメインのテーマかと思ったら、ガチガチのラブストーリーやん!ラストとかラブストーリーの王道やん!
正直、なんかいまひとつハマらないんだけれど、でももうちょっと辻村さんの作品を読んでみたいと思ってしまう。不思議な魅力。