ぱっとしない劇団を続け、ほとんど収入のない永田と
彼の才能を信じ、ひたすら支え続ける沙希。
二人だけの世界ではうまく成り立っているように見える関係が
外の世界と絡むことによって少しずつ崩壊していく。
いつまでも自分の演劇が全てで自己中心的な永田に
沙希の精神は次第に疲弊していく。
沙希の精神は次第に疲弊していく。
確かにそこに愛があるのに・・・
沙希に対して卑屈になったり束縛したり、
でもやはり愛情としかいえない感情を持ったりの永田の不器用さが痛々しい。
そして無邪気に彼を褒めたたえ続け、必死に寄り添おうとする沙希もまた痛々しい。
永田目線でストーリーが進むから、かろうじて肯定的になれるものの
自分が沙希の友人なら絶対に別れることをすすめるだろうと思う。
「才能」や「運」など目に見えないもの、報われるかどうか定かではないものを
信じ続けるのは辛い。
それにしても、永田が又吉さんにしか見えないのがおもしろい。
又吉さんの小説は、使われている言葉や言い回しが硬いけれども
読みやすいから私は好きだな。