『蜜蜂と遠雷』 恩田陸 | ふぁいのだらだらな日々

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読書とガーデニングと日々のできごと

「皆さんに、カザマ・ジンをお贈りする。文字通り、彼は『ギフト』である。」

音楽会のレジェンド、ホフマンの推薦状を持つ16歳の少年・風間塵。

彼のトリッキーで凄まじい演奏は、審査員たちに衝撃と混乱とジレンマを与えた――

 

芳ヶ江国際ピアノコンクール。

二週間に及ぶこのコンクールでは、1次、2次、3次予選を経て

100人近い出場者のうち6人だけが本選に進むことができる。

優秀な演奏者が集う中でも、とりわけ音楽の神様に愛された天才たち。

異なる個性を持った天才たちが出会い、影響を与え合い、それぞれがさらに進化していく・・・

 

 

 

図書館に予約を入れたのが3月初旬。

ようやく順番が回ってきた。

クラシック音楽に全く縁のない私が挫折せずに読めるだろうかという不安があったが

すぐに引き込まれ、緊張感みなぎるコンサート会場の観客の一員になっていた。

 

一次予選からひたすら丁寧に演奏の描写がされている。

その曲を知らなくても、音が聴こえてくるようだ。

その視点は、演奏者自身だったり、聴いている他のコンテスタントだったり、

審査員だったりする。

 

コンクールの結果がどうであれば納得できるかな?と考えながら読んでいたが

意外とあっさり終わった感じ。

まあ、天才たちにとって順位自体はあまり意味がないだろうからこれでいいのか。

読んでいる途中はおもしろかったんだけれど、読み終わってみれば

芳ヶ江国際ピアノコンクール」をじっくり体験させてもらってもうお腹いっぱい、

というのが正直な感想かな。

 

直木賞はともかく(もともと私には選考基準がよく分からない)

本屋大賞にも選ばれたというのが意外かもてへぺろあせる